メタ認知トレーニングの成り立ちは「ソース原理」そのものだった
「すべては1人からはじまるーー」
この叡智がもっと多くの方に届きますように。
「ソース原理」とは何ぞやの解説はあっさりと手放し、下記の公式サイトや令三社の山田さんnoteにゆずります。
私がこの本を読んでいて、ひしひしと感じていたのは、ヤフーアカデミアで生まれたメタ認知トレーニング(マインドフルネス)は、ソース原理に沿って成り立ってきたことであり、このソース原理に基づいて、マインドフルネス・メッセンジャーとしての活動をもっと創造的にしていきたい!ということでした。
たいへん光栄なことに令三社の山田さんに、メタ認知トレーニングにまつわるエピソード三部作を聴いていただき、コメントをちょうだいする機会に恵まれました。
このnoteが、ソース原理の事例共有のひとつになればと思います。
エピソード1:メタ認知トレーニングの出現
私がマインドフルネスと出会って丸10年になります。2012年夏に『サーチ!』(現在のSearch Inside Yourself)の本をジャケ買いして、2014年に日本初上陸のSIYを受講、2016年にヤフーアカデミアの受講生対象にメタ認知トレーニングのプロトタイプを立ち上げました。
そのときの様子は、『0秒で動け』リアルエピソードのnoteにも書いてあるのですが、伊藤羊一さんとの1on1で、「リーダーシップをより発揮するために、メタ認知が必要。メタ認知を鍛えるために、マインドフルネスって役立つの?」と問われた瞬間に、私がソースとなって、イニシアチブが立ち現れたように思っています。
SIYそのものをヤフーで展開するというよりは、ヤフーらしくカスタマイズするプログラムを構築したいというイメージがありました。日本におけるマインドフルネスの第一人者であるMiLIの荻野淳也さん、吉田典生さんに相談をもちかけて、サブソース的に関わっていただき、中身や期間、アセスメントなどプログラムの骨格のヒントを得ました。
また、このプロトタイプの参加者募集では、「私がとある実験をしたいので、ご協力いただけませんか?」という怪しげな声掛けをしました。マインドフルネスの単語はまったく打ち出さず、とにかくあなたに協力してほしいと10名くらいに声をかけて、集まってくださった方もサブソースです。
いま思えば、メタ認知トレーニングの0期(プロトタイプ)はみんなでいっしょに産み出した感覚があり、それがクリエイティブ・フィールドだったように思っています。
その問いを投げかけられて、ふと思い出したのは、アカシックリーディングでの、探求(体現)して、誰かに伝えたい人という言葉でした。
インターネットやマインドフルネス、このソース原理もそうなのですが、自分がホントにこれいいなー!、これはステキだなーと思うものを、周囲の人に伝えたい!、メッセンジャー的な役目がある。この感覚とつながっているように思います。
エピソード2:メッセンジャーズ結成でチーム運営
その後、メタ認知トレーニングは四半期ごとに定期開催されました。
2016~2017年くらいは、アカデミア生を対象に、私が一人で運営していきましたが、「アカデミア生以外も受けられないんですかー?」「名古屋や大阪、北九州にも来てください!」と問い合わせをいただくようになってきました。さらには「ヤフー以外の関連会社にもお願いします!」というオファーもあり、さすがに一人運営はもたない状況になってきました。
誰かを誘っていっしょに運営していきたいと思ったときに、日々実践していて、こういう運営にも興味ありそうで、有志ある方に一人ずつ声をかけさせていただきました。お声がけした人のほとんどは即OKで、うれしかったです。
その数名でチーム名のブレストする飲み会がありました。ティーチャー、ガイド、インストラクターなど上から目線でイヤですよねという共通見解もあって。ある人が「メッセンジャーってどうですか?」と言ってくださいました。必要としている人やチームにお届けする、おすそわけする意味合いをこめて、マインドフルネス・メッセンジャーズが結成され、チーム運営できるようになりました。
そのおかげで、参加しやすいように週2開催(振替受講可)にしたり、コーファシリすることで場に深みがでたり、お互いに忙しいときにはバックアップできたりと、持続的な運営体制が整えることができました。
私が辞めて2年経つ今では、ZOZOやアスクル、LINEなどZホールディングスの会社にも提供したり、親会社のソフトバンクの社員の方も参加されたりで、どんどん広がってきています。
この話を受けて、この人といっしょにやっていきたいかどうかの直観に頼っていたところを思い出しました。逆にメッセンジャーズになりたいと声をかけられた人で、あまりピンとこなくて丁重にお断りをした人もいました。
このコメントで、ひとつ思い出したことがありました。
メタ認知トレーニングのこれからの展開について、メッセンジャーズで議論・対話したときに、「浅く広く届けるか」「深く濃く届けるか」の話になりました。私自身は、多くの方に届けたいので前者寄りだったのですが、とある人が「深く濃く届けることにコミットしたい、そうでなければ辞める」という話があり、後者の方針となりました。
いま思い返すと、彼のあの発言に救われました。
エピソード3:ヤフーを辞める、ソースの継承
ソースの原理の中でも、「ソースの継承」は、とても身に覚えがあるところです。
2020年当時、退職エントリーのnoteに書いたとおり、ヤフーグループでのマインドフルネスの展開はとても順調であるものの、世の中を見渡すと「マインドフルネスって何ですか?」「マインドフルネスって怪しい…」みたいな状況で、私自身がヤフーの外に飛び出して、組織や行政、教育領域に届けていきたい想いがあふれてきました。
その想いを一番最初に打ち明けたのは、メッセンジャーズの2人でした。
その2人にお伝えしたのは、マインドフルネスのことをよく理解しているとともに、私よりも専門的な学びを探求しており、この2人なら安心して託せると思ったからです。
ソース継承の観点でいうと、その2人の中でも、じつは1名に対してバトンを渡していたんだなと解釈を深めることができました。
私からソースのバトンを引き渡した方は、マインドフルネスとコーチングを掛け合わせたプログラムにも関わっている方で、もう1名はそのソースを受け継いだ方を右腕的に支えていける方です。
私の想いや願いを受け取っていただいた感覚はとてもありました。そして、実務の引継ぎというは、とくになくて、「あとは任せます、よろしくお願いします!」程度だったように思います。
いまも、その2人とは、たまに連絡をとりあって「最近のヤフーはどんな感じでやってますか?」という情報、意見交換しています。
大切にしている価値観をあえて明言した記憶はないのですが、ずっと一緒にやってきたので、メッセンジャーズとしての姿勢やあり方(フラット、オープンなど)は、暗黙知で受け取っていただいたのだと思います。
引っ掛かりや未練の感覚は1mmもないですね。企業展開の事例として気になる程度で、アイディアやこうしてほしいという欲がでることもないです。これって、きれいに継承されたんですかね。
終わりに
はい、メタ認知トレーニングの成り立ちが「ソース原理」そのものでした。当時はもちろん「ソース原理」の考え方、捉え方は知らなかったのですが、ソース原理にある程度沿った流れがあったからこそ、日本におけるマインドフルネスの先行事例として軌道に乗れたことが分かりました。
また、別企業でのマインドフルネス展開が軌道に乗れなかったことは、このソース原理に沿えていなかったから、ということも分かりました。
私がこの「ソース原理」に魅了されたのは、何かが生まれる瞬間から軌道に乗るまで、人と人との関わりにおけるプロセスに対して、温かく受容してくれる感覚があるからです。また、山田さんとのお話を通じて、より惚れてしまいました。
最後に山田さんよりこんなメッセージをいただきました。
こちらこそ本当にありがとうございました!
最後に大事なことなので、もう一度。
「すべては1人からはじまるーー」
この叡智がもっと多くの方に届きますように。