知り合ってからのこと②
抱えてたジレンマとタイミング
今となってはずいぶん前の話だけど、ある日「どんな風に勉強してるのか、興味ある!」と言ってくれたとらんくん。ガツガツした殿方じゃないのは把握していたし、興味関心を抱いてくれたのは嬉しかった。
話さなきゃいけないことあるんだ
「そろそろ頃合いなのかも」と感じて、「電話しませんか?」と伝えた。その頃にはもう、7〜10日に1度くらいのペースで電話とかしてたので。
当時取り組んでいた課題の話なんかをしている中で、迷いに迷っていたのに、ふと口をついて出た言葉は
「私、話さなきゃいけないことあるんだ」自分でも驚きだった。
「私はね、就労移行支援事業所 、ってとこで勉強してるんだけど、実は私ADHDなんだ」
大切に想う相手へのカミングアウト
とらんくんは「ADHD」という言葉を知らなかったのか、聞き取れなかったかで「え、何??」と聞き返してきたので、思い切って「発達障害って聞いたことあるかな?」と言い直した。
少しの沈黙。あの時どんな事を考えたのか、改めて本人に聴いてみたいような、まだ少しこわいような。
多分とらんくんは野放図に発言するひとではないので、考えていたんだと思うけど、当時は分からなかった。
「びっくりしちゃったよね、いつか話さなきゃいけないと思ってて、なるべく早めがいいとは思ってたんだけど、嫌われちゃうかもしれないと思うと怖くて、言えなくて」と、慌てるも、フォローとして成立してない自覚しかない私。痛い。
終わっちゃうんだろうな
「もし、嫌じゃなかったら、これからもやりとりしてもらえたら私は嬉しい。でもどう感じたとしてもそれは自由だし、強制はしないから」という趣旨のことを伝えた。当時自分で考えた精一杯の尊重だった。
でも、あー、終わったなと、正直思った。
逆に耳を疑う
とらんくんが言ってくれたのは「なんて言ったらいいか分からないけど、話してくれてありがとう」という言葉。
驚いた。その後のことはもはや覚えていない・笑
それから、そもそもの用件が済んだので、電話を切って。怖くて、怖くて、泣いた。
カミングアウトってこんな気持ちになるんだ
今までドラマや映画や本で、想う相手にカミングアウトをするシーンは何度となく目にしていた。感情移入しやすい方なので泣いてもきたけど、我が身に起きるって、物語の比じゃなかった。
けど、これでどうなるか、どう感じるかは彼のものだから、どうなったとしても受け入れようと決めて、あとは聴いてくれたことへの感謝だけは伝えようとメッセージを送った。
「先ほどはありがとう、聞いてくれてうれしかった気持ち忘れないよ」と。
これで、お終い。じゃないの?
しばらくして届いた返信には「信頼してくれてありがとう」との文言。
カルチャーショックというか、びっくりした。こんな事いう人、いるんだ。
私はこれまで、初めから直に対面している人からはADHDだとか、副次的に持っている双極性障害とかに気づかれることはまずもって無かったけど、会ったこともない相手に、それも、自分にとって重要になってきた相手にカミングアウトするのは尋常じゃない恐怖と緊張感があった。
でも避けて通れないことだから。隠し通すのは、私は違う、特にこの人に隠すのは違う。と思った結果だった。とらんくんにだけはごまかしや嘘をどうしてもしたくなかった。何故か、強く思った。
そして
その後もとらんくんは、変わらず接し続けてくれた。ほんの少しずつだけど、彼も自己開示し始めてくれて、穏やかな時間が流れていくのを感じていた。
結局やりとりスタートから、1か月半後、初めてzoomでお顔を見て話すことになりました。
余談だけど、このころ、逃げ恥の再放送が始まっていて、かつてない意気込みでもって視聴していた。というのはのちのお話で。笑