スイートヒア アフター(ブックレビュー)
こんにちは☺️
吉本ばななさんのスイートヒアアフターを呼んだのでプレビューを書きたいと思います。
私が考える この本のテーマは、
『生き残っている人々は、その生をただ全うすることで、死者への報いとなる』
です。
主人公の小夜(さよ)は、恋人とのドライブ中に事故に遭い、恋人は即死、自分も重症となるも、 運よく一命を取り留めます。
恋人の両親は さよのことを本当の娘のように可愛がり、デザイナーであった さよの恋人のスタジオにある作品などの遺品整理を全てさよに 任せます。
さよわなくなった恋人のために、丁寧に遺品整理をしながら、自分が生き残った意味を考え続けます。
『私ではなく、洋一(恋人)が生き残るべきだった』
と最初は強く感じていたさよですが、次第に 生き残った自分が恋人のためにできることを全てやり、恋人の死に恥じないような生き方をしようと考え直します。
一度臨死体験を経験したさよは、死者の幽霊が見えるようになり、彼らがが 思い残した感情を読み取れるようになります。
そして全ての人にとって死は常に身近なものなのに、 生きている人々は慈悲に守られた贅沢な時間を与えられているんだと気づきます。
そこから彼女は自分が生きていることに深く 歓喜し、歩き始めます。
あとがきを読むと、この本は東日本大震災をテーマに書かれたものだと 著者は綴っています。
あの 当時の悲惨な状況を描くのは、当事者以外には決して不可能である と著者は確信していますが、この本を読んだ 読者の一人でも多くの人が、生に対して少しでも前向きな姿勢になってくれればという著者の願いを込めているようです。
やはり私たちがこうして毎日 平和に健康に過ごせていることは、まさに奇跡の連続で、生きている限り 日々 生に対する畏敬を失ってはいけないと改めて思いました。
内容は深い テーマですが、文章自体はとても読みやすく、登場人物も個性豊かで読んでいて明るい気持ちになれる本です。
皆さんも機会があれば是非読んでみてください!!
本日もお読みいただきありがとうございました。