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海辺のカフカ ブックレビュー

こんにちは。

今日は 村上春樹さんの海辺のカフカのブックレビューを書きたいと思います。


この小説は、私がこれまで読んだ小説の中で、

『最もワクワクしながら 読み進めた 小説』です。


とにかく 続きが気になってしまう 構成になっていて、分厚い 上下巻であるにもかかわらず、隙間時間に読み進めて、あっという間に 読み終わってしまいました。


私が考える本書のテーマは、

『人は誰しも誰かから求められたい 存在』
『人は自分という存在がこの世界に必要とされていると常に実感したい』


かなぁ と考えます。


主人公の僕は、幼い頃に母親に捨てられ、父親と同居しているもののほぼ絶縁状態で、常に自分が誰からも必要とされていない絶望感の中暮らしています。


『このままじゃいけない』
『もっと強くなって誰かに必要とされたい』


と思い立ち、15歳という若さで家を飛び出して、異国の地で暮らし始めます。


様々な出会いや経験を経て、僕は再び生まれ育った地で生きていくことを決意します。


その境地にいきつくまでには様々な葛藤があり、僕は僕なりに考えて、決して逃げずに立ち向かいます。



この本の面白いところは、そんな僕の葛藤が、僕以外の人物を通じて見事に描写されているところです。


主人公と全く関係ないと思われる 登場人物たちが、この僕と並行して 同じように旅を始めますが、最終的に全ての登場人物や 場面が、僕の最終的な境地に至るまでの過程の重大な要素として繋がっていきます。


最初は読んでいて、いろんな場面に話が飛んでいくので、一体どういうことなんだろう?と戸惑ってしまいましたが 、きっと それも 筆者の意図なんだろうと思います。


加えて さすが村上さんの描写とあって、 時には吐き気がしてしまうぐらいの生々しい表現も多々あり 、少し 読むのに気合が必要な場面もあります。


それでも決して全体としては重すぎず、 所々 クスっと笑ってしまうようなネタもあり、そのバランス さえも さすがだなあと思ってしまいます。


正直この本で 筆者が何を伝えたかったのか、根本的なことは私には分かりません。


ただ一つ、

『人は常に誰かから必要とされて 初めて生きている実感を持てる』

そんなメッセージを強く感じました。


皆さんも機会があればぜひ読んでみてください☺️


本日もお読みいただきありがとうございました。



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