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スプートニクの恋人(ブックレビュー)
こんにちは。
先日 村上春樹さんのスプートニクの恋人 を読んだので、ブックレビューを書きたいと思います。
私が考える この本のテーマは、
『自分にとっての辛い過去にどう向き合い、どう克服していくか』
かなあと思いました。
主人公の僕はすみれという長年の友人に恋をしていますが、すみれは異性に対して全く性的な興味がなく、ミュウという別の女性に恋をしています。
すみれは幼い頃に母親を亡くしており、本人は表立ってそのことを他人にオープンに話すことはないものの、彼女の中で やはり 母親という存在はとても大きく、いつもどこかで母親に会えることを願っています。
ふとしたことで知り合った ミュウという女性のもとですみれは働き始め、今まで小説を書くことだけを軸にしてきた人生から、 より広い外の世界を体験するようになります。
すみれはミュウのことを愛し 欲しますが、 ミュウも同じく 過去に大きな傷を負っており、すみれの愛に答えることができません。
主人公の僕は と言うと、一見普通の幸せな家庭で育ちますが、彼の中で家族という存在は決して自分の癒しの対象ではなく、むしろ 家族といることでより孤独を感じて生きてきました。
そんな僕は、すみれと出会うことで 、初めて人生で確かな支えのような存在を手に入れます。
ここまでが 大まかなあらすじになりますが、主要な登場人物の3人それぞれが、過去に深い傷を負っており、お互いに交わることでその傷を癒そうと試みますが、 なかなかうまくいかない様子が、村上さんの素晴らしい表現によって 本 全体に描写されています。
自分の欲求を満たすために、他人に対してある程度のことを求めてしまうのは、誰しも必ず持っている願望です。
3人を通じて、各々の そのような欲求がうまく満たされないなか、それでもお互いに支え合い、それぞれがどうにか 過去の経験を乗り越えようとしている姿が、とても印象的で、面白かったです。
やはり 小説家って天才ですねー(笑)
自分では絶対に書けません😅
皆さんもぜひ読んでみてください!
本日もお読みいただきありがとうございました。