伍子胥の逃亡を助けた漁師
彼について語らせてください。
その前にまず伍子胥、という人物の紹介をします。
古代中国の貴族の次男坊である伍子胥は役人だった父と兄を王に殺され、逃亡していました。そのままその国にいると彼自身の命も危ういし、復讐も果たせないからです。ちなみに彼の父兄が処断された理由はかなり理不尽で、それゆえに伍子胥は復讐の鬼になったのだと思われます。
その逃避行の過程で長江を渡ろうとした際に船を出してくれた漁師がいます。
この漁師が、、、かっこいい人なんです。義侠の人とでもいうのでしょうか。渡河させてくれたお礼として伍子胥が剣(かなりの値打ちがある)をあげようとしても受け取りません。曰く
“あんたを役所に突き出せばそれ以上の財産やら爵位が手に入るんだから(そんなものはいらない)”
じゃあ何で助けたんだよ😂!
初めてこの部分を読んだ時は、そうツッコミながらも感動して泣きそうになりました。今もこの文章を書いていて泣きそうです。
第三者の私がこうだから伍子胥は号泣したでしょう。(私見ですが彼は泣き虫です。)
伍子胥、嬉しかったろうなぁ、、、
その漁師の名前は残っていません。
しかし、このエピソードは史記に収録されています。
史記の著者も私と同様にこの漁師に感動したからでしょう。
お礼はいらん、と言った時にこの漁師はきっと笑っていたと思います。歯を剥き出しにしてニカっと。
“わかってるぜ、お前さんの志は”
という感じでしょうか。めっちゃいい笑顔だったに違いありません。私もこういうふうに他人に振る舞える人になりたいと思っています。
伍子胥の周りは熱い人間が多いですね。
次回は伍子胥の兄貴について語ろうと思います。