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【感想】★★「信長死すべし」山本兼一

評価 ★★

内容紹介

■本能寺の変まで、残り三十八日。「信長を粛清せよ」天正十年夏。正親町帝の密勅が下り、日本史上もっとも濃密な時が流れた。運命の六月二日、本能寺の変に向けて―。明智光秀をはじめ、近衛前久、吉田兼和、勧修寺晴豊、里村紹巴、徳川家康ら、織田信長を取り巻く人々の動きから、本能寺の変を炙り出す歴史巨編。

感想

「本能寺の変」という歴史的ミステリーを題材に、近衛前久・徳川家康・明智光秀・織田信長などのそれぞれの目線から時系列に進んでいく。
人物の心情をベースにストーリーが進んでいくが、言動で登場人物の心情を描写するのではなく、『彼は寝れていない』や『汗が出る』などの安易な説明描写が多く、リアリティには欠ける。
情景描写は割と美しいが、歴史小説だからか単語が難解過ぎてイメージが湧きづらい。
内容も『織田信長の暗殺計画が露見するのでは⁉』という描写も乏しく、全体的には盛り上がらない。この内容を「本能寺の変」のオマージュとして、別の話とすればまだ良かったかもしれない。
クライマックスの本能寺への討ち入りはもっと細かくダイナミックに描写すべきだし、そもそも主人公であるはずの明智光秀がほとんど出てこないという謎の作品。


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