引き出しの中
書きたいことはたくさんあった
書きたいように書けばいいのに
どうも勝手に思い悩んで
引き出しの中に引っ込めるうた
完成しそうな下書きたちが
そこには山ほど眠っているのに
いつも勝手に思い悩んで
形にするのをためらっている
もっと素直に書ければいいな
どうせ自分で詩と言えないなら
沈黙しても変わらないから
思ったことをただそのままに
自分の中の検閲ばかりが
やたらと強くなってしまって
こんなの書いて誰が読むのか
今更そんなことを思ったり
ぼくには学も何もないから
詩とは何かもよく知らない
ただ自ら出てくる言葉に
何かの意味を持たせたいだけ
書きたいことがまだあるうちに
もっと素直に書ければいいな
届かぬ手紙にあてはなくても
誰かが拾って読んでくれるなら
意味とは自ら持つものではなく
拾った誰かが与えるものだ
その言葉を胸に抱きながら
引き出しの中の欠片を探す
(2024.3.23.23:01)