ベトナムでの決断【ホーチミンで物件を契約する間際に発覚して衝撃を受けた事】
ベトナムホーチミン市 42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
このアパートはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。
私は、ここでネイルサロンを作るために、現地ベトナム人と一緒に走り回る日々...。
物件のオーナーと初対面
前回の出張で仮キープまでしたNguyen Hue(グエンフエ)アパート。
ゴックさんは忙しくて契約には行けないけれど、タンくんという強いサポーターも現れたことだし、なんとか乗り切るぞ!
タンくんとの出会いはこちらを読むとわかります。
今日は、タンくんともう一度物件に行って、オーナーと初対面の日。
仮キープとはいえ、オーナー本人に会って直接話しをしなければ、どんな人柄かわからないもんね。
私:タンくん、今日は物件のオーナーと会う日だね。通訳よろしくね。
タン:はい。心配しないでね!
私:いままで色々あってね、この物件にたどり着くまで5ヶ月かかってるの。だから、今度こそ決めたいんだ。
タン:僕も一生懸命頑張るね!
物件に向かう途中私はいままで経験したことを、タンくんにたくさん話しをしました。
今までの情報を伝えておかなくちゃ。もう同じ失敗したくないもんね。
オーナーのcoung(クン)さんとは、アパートのカフェで打ち合わせ。
私:xin chao! (こんにちは) クンさん、はじめまして。今日は時間を作ってくださってありがとうございます。
クン:xin chao. いえいえ、この前は娘がお世話になりました。
私:早速なのですが、私はあの物件が大変気に入りました。
今回の出張は残り5日。私はそれまでにあなたと契約成立させたいんです。
よろしくお願いします。
クン:ははは。あなたは、毎回日本から来ていると聞いています。忙しいね。
私:ええ。でも、今だけですから大丈夫。それで早速なのですが、契約書を預かってもいいですか?私は、持ち帰って確認します。
クン:契約書は無いんです。あなたが作ってくれますか。僕はチェックして問題なければサインするよ。
あらまぁ〜契約書が無いって?どうしようかな...。
ベトナムの契約書作ったことないし、あと5日しか無いけど作れるのかな...。
私:タンくん、ベトナムの賃貸契約書なんて作ったことないけど、どうしよう。
タン:いいじゃん。自分に有利な事が書けるね。あはは。
私:そっか。それもそうだね。じゃあ、引き受けよう!
完全にタンくんのポジティブ思考が、私にうつってる!
まぁ、なんとかなるか。(帰って、早速ゴックさんに相談しよ...)
またまた衝撃の事実発覚
クン:あ。そうそう。契約するのはいいけど、このアパートは政府から取り壊し計画書類が出ているけど、大丈夫?
私:えええ!!まさかのこのタイミング!まじか。。(絶句)
タン:クンさん、でもそれは日程が決まっているんですか?
クン:いや、まだ具体的には決まってないみたいだけど、去年から計画書類は来ているよ。こんな一等地のグエンフエ通りにこのアパートは不釣り合いだからね。
絶句して言葉が出ない私の横で、クンさんとタンくんはしばらくベトナム語で話していました。
一通り話終えたあと...。
タン:優ちゃん、クンさんとちょっと話したけど、僕は3年くらいはこの計画が進まないと思うよ。
私:そうなの?もし取り壊しの計画が進むってのが決まったら、そこから着手までどれくらいかかるんだろう。
タン:うーん。3ヶ月とかじゃない?政府のことだから、僕はわからない。急ぐ時は早いし、遅い時は遅いよ。
ぐぬぬ...。なんとも判断しにくい答え。
ついてないなー。せっかく決まりそうなのに、取り壊しの計画だなんて。
タンくんの言葉を信じて契約するか、止めて別の物件を探すか。
今すぐ決めるなんてできないよぉおおー!
私の葛藤
・グエンフエを諦めて他をもう一度探す?でも今までたくさん見たけれど、このアパートほど立地が良くてリーズナブルな物件はない。
・1月後半から約5ヶ月経過。物件が決まらないと店作りが全然進まない。融資の支払いは来月から始まるのに!一刻も早く売上を立てていかないと資金がショートしちゃうよ!
・今までの物件探しをもう一回やるの?やるの??やるの!?(もうやだ)
どうする私?と頭の中はフル回転で色々考えるけれど、自分でこれを決めるのか。ものすごいプレッシャーが押し寄せる。
ひとまず、クンさんにはちょっと考えさせてください。と伝えて顔合わせは終了しました。(なんで、毎回うまく行かないんだ。。)
腹をくくるの巻
私:タンくん、私はちょっと頭がクラクラするよ。まさかアパートの取り壊し計画があるなんて。辛い。辛すぎる(泣)
タン:優ちゃん、元気だしてください。僕は、このアパートはすぐに潰れないと思うんだ。だって、潰すにはアパートの住人の同意が必要だからね。
私:でも、政府にはみんな逆らえないんでしょう?社会主義国だしさ。
タン:そうだけど、今は反対してる住人が多いってクンさんは言ってた。
家がなくなったらみんな大変だからね。社会主義だけど、声が大きい方が勝つと僕は思うんだ。
私:そうなの!?もう絶対無理だと思った。
タン:とりあえず取り壊しが決定するまで、やればいいじゃん。だめなら引っ越しだってできるよ。
タンくんのアドバイスにハッとしました。
そうだよなー。
こんなに立地が良くて格安物件は無いんだし、ひとまず2,3年を目処にここで営業して引っ越しすればいいか。
いつ引っ越ししても良いようなお店づくりをすれば、リスクヘッジにもなるしね。
タンくんの後押しがあるからなのか、いままで色んな衝撃を自分なりに消化してきたからなのか...。
私、前より強くなってきた気がする!
私:タンくん、色々アドバイスありがとう!そうだね。もう後もないし、ここでやってみようと思う。
タン:うん!優ちゃんなら、できると思うよ。頑張って!
タンくんに背中を押されて「もうやるしか無い!」と腹をくくった私。
もう、どうにでもなれ!あとは私が責任をとる!(って言いたい。。。)
このマガジンについて
ベトナムにネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
このマガジンは私がベトナムでネイルサロンを作るまでの過程や苦労話。
また軌道に乗るまでの道のりをまとめています。
フリーのフォトグラファーとして気ままにやってきた私が、1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。
全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。
毎週金曜更新中!