【読書記録:2】優しいあなたが不幸になりやすいのは世界が悪いのではなく自業自得なのだよ 大和出版 藤森かよこ
世の中の女性に本当に不幸になってほしくない…著者が本当にそう思っている女性向け自己啓発本はなかなか見つからない。藤森かよこさんの本はそんな中での数少ない一冊だと感じた。
タイトルがなかなか過激なのだけれど、藤森さんのこれまでのタイトルは、
『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください』
『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』
…タイトル長い&過激でなかなか香ばしくて良くないですか。
上記2冊はタイトルに惹かれて購入。私の為に描かれた本だ!と速攻で買いました。タイトルだけで拒絶反応起こして、内容を読んでもいない人にSNSで批判されたりしていましたが、読んでもいないのにタイトルだけで批判が来るなんて、それだけ目を引くってことなんでしょうね。私もタイトルで買ってしまいましたので…。(タイトルや帯に弱いわかりやすい読者)
この本の中で、優しさは発揮する場所と相手を間違えてはいけないということが繰り返し書かれているのだけど、まさにその通り。でも、私の周りにも「優しさ」を従属することや摩擦を避けることだと思っている人は多いし、まさに自分がそうだと思う。これって、私たち世代(氷河期世代前後位)が受けてきた教育だし、母親から刷り込まれてる女性も多いんじゃないかな。まさに日本をあげて洗脳されてきた世代だけど、その思い込みを打破してくれた本だった。…賢い人はとっくに気が付いていて、幸せになってるんだろうなー。うん、なってるわ。
“貧困女子”について触れられているのだけれど、貧困女子の問題は「女性受難物語」として男性に消費されていることを指摘されている。確かに女性の貧困が話題になっているけど、真剣に何かを変えようとしていたり、どこに助けを求めたらいいのか、どの様な行動をすれば良いかなど具体的なことが書かれている本は少なかったりする。もちろん、貧困女子本の著者はそんなつもりで書いているのではないけれど、読者の側がそのように捉えてしまっている節はある。
貧乏な若い女の子を扱うバラエティー番組が結構長い間続いてたりするのも、女性の貧困が娯楽として成り立っているってことなのかな。悲しいけれど。
私がとても心が軽くなったのは、“仕事に生きがいなんてなくてもいい、生活費を稼ぐための手段”とはっきり書いてあったところ。今までは、生きがいのある仕事をしていない自分はダメなんだと思って生きていたけれど、仕事に生きがいなんてなくてもいいと書いてあった本はあんまりなかった気がする。(美輪明宏さんは著者の中でよく書いていらっしゃいました)
失業した際の具体的な行動の仕方や、人間関係を作るためのコミュニティが具体的に紹介されているのも助かる!あと、引用した参考文献などもリストにまとめられていて有難い。参考文献から数珠繋がりで、読書の幅は広がるので。
文体が強めなので読む人を選ぶ本なのですが、多くの女性が手に取ればいいなーと思える本。本慣れしていない人だと、過激なタイトルや強めの文体で拒絶反応示す人が多いけれど、優しい文体だとこの良さが伝わらない…という感じでリアル友達には紹介しにくい本ではある。友達は「優しい」人ばかりなのですが。
何がなんでも生きなさい!というのがメッセージとして伝わってきて元気が出る本でした。