「まだ未完成のゲームに転生?したお陰で発売日になった頃には無敵だった」第1話
あらすじ
本文
年に一度行われるゲームショウNGSが行われその中でも目玉の会社ネオニュー
年に一度のネクストゲームショウ略してNGSが二日間が行われ終始盛り上がりを見せる中最終日の最後のブースでとんでもない発表があった。
司会者「本日は皆様ありがとうございました。これを持ちましてNGSは終了いたします」
会場を後にする佐渡明(サドアキラ)と友人の早川沙知(ハヤカワサチ)は駅に向かいながら話していた。
沙知「明、二日間楽しかったなぁ」
明「でも一番やばかったのはもちろんネオニューのステージ!」
沙知「そらそうだよ、会場に入るのに何時間も並んで整理券貰ったし、生配信も同接100万人以上。世界中で大注目のステージだったんだから」
明「でもそれぐらい価値のある発表があったなぁ」
明・沙知『NeoNew Nascent通称NNN』
沙知「まさかVRMMOのジャンルのゲームを出すなんて」
ネオニューがVRMMOを制作していると噂は出回っていたがあくまでも噂なので信じがたいところもあったが今回のステージで正式な発表があり、会場中そして外の人たち配信を見ている人が狂喜乱舞した。
明「ネオニューが出しているVRの機器は持っていたけど今回NNNを遊ぶためだけの専用機器も発売される。それがこれダイブリング」
沙知「いいなぁ明〜」
何故私がまだ発売前のダイブリングを手に付けているかと言うとステージの最後に今後行われるβテストの参加者を会場の中から選びサンプルの指輪をプレゼントする事になり抽選の結果見事当たったのである。
沙知「しかもこのリングの石座に輝きを放っているダイヤモンドがNNNのソフトらしいよ、美しい〜」
ダイヤモンド中には金色の文字でNeoNew Nascentと書かれてある。
明「凄いよな〜でもこれはガラスで作ったサンプル品でβテストの際にソフトは送られて来てその際に取り替えるといいらしいよ」
沙知「ネオニューには毎回驚かされているよ。前の時だってVRを軽量化してメガネタイプ出してこれも衝撃だったけどね」
明「今回そのVR機器とダイブリングで・・・!最高じゃない」
沙知「明、もう一回よく見せてよ」
明「沙知、手引っ張りすぎだって」
楽しく帰っていた途中それは突然だった。
男性「おい!そこの二人危ない!!!」
その声が聞こえた時には車が私たちのすぐ前まで突っ込んで来ていた。
咄嗟に沙知を草が茂っていた方に突き飛ばした。
その時リングからダイヤモンドが外れ沙知と同じ方向に飛んでいくのが見えた。
次の瞬間目の前が真っ暗になった。
?「%$%&$&しますか?」
《YES/NO》
何かが私に呼び掛けている気がするが前半の部分は聞き取れなかったなぁ。
体を動かしたいが全くダメだ。今私に出来ることはこの《YESNO》の質問に答えることだけ。
一体何の《YES/NO》だが一つもわからないがYes一択だ。
そう思った瞬間真っ暗な空間から淡い光の玉が私を包み込んだ。
次に目を開けた時テレビ越しで見たゲームのような城下町の広場だった。
明「もしかして転生した!!!!!」
一人で広場のど真ん中で叫んだが誰も見向きもしてない。
明「あの死んだら異世界に飛ばされて冒険者になり・・・うん?死んだ・・・!!!」
明「死んでますや〜〜〜〜〜〜〜ん」
またまた叫んだが周りの人達は見向きもせず通り過ぎていく。
とりあえず落ち着いて考えよう。
本当に死んだのか?車に轢かれたけど特に痛かったとかは無かったし・・・いや死んでるよ絶対に見た事ない場所でしかも冒険が始まりそうな雰囲気の場所。
間違いなく死んで転生したんだ。
タイトルはゲームの新作RPGに興奮して帰っていたら事故に遭い本当にRPGの世界に入ってしまった件だな。
まぁいいや死んでしまったことはそれなら転生する前に女神様に会ってとんでもないスキルを頂くとか女神を無理やり連れていくとかしたかったけどなぁ〜まぁ転生ライフ楽しみますか。
というか自分のステータスってどうなっているんだ。
どうやってステータスってわかるんだ?
明「適当に・・・ステータス」
名前 プレイヤー
Lv1
種族:人間
職業:戦士
HP ???
MP ???
【STR】 ???
【VIT】 ???
【DEX】 ???
【AGI】 ???
【INT】 ???
【LUK】 ???
能力 プロトタイプ
明「何となくやってみたけどこんな感じに目の前に画面・・・名前プレイヤー?自分の名前じゃない・・・そういえば聞かれなかったけ誰にも・・・それにしてもプレイヤーって適当な感じ、しかも分かっているのは種族と職業だけで他のステータスが全て?になっている」
謎の疑問が残る中、それよりも気になったことがある。
プレイヤー「能力 プロトタイプって何だろう・・・詳細ってわかるのかなぁ」
画面の能力のところを押してみると詳細が出てきた。
プレイヤー「通常一人一つの種族や職業のところ全ての種族、職業に自由にチェンジすることが出来る・・・ってめちゃくちゃ強くないか」
トップ画面に戻り、種族のところを長押しすると、
人間
エルフ
ドワーフ
獣人
戻り今度は職業のところを長押しすると、
戦士
武士
魔法使い
僧侶
弓使い
盗賊
プレイヤー「これが人間の職業、じゃ他の種族ではまた別の職業がある。この能力最高じゃないか!」
この能力のおかげで当分この世界でやっていけそうだな。
後は名前だけど変更とか出来るのかなぁ何処かでそれに名前が違うってことは自分の顔ってどんな感じになっているんだ。
周りを見渡すと中央に噴水があったので水の反射で顔を見ることにした。
プレイヤー「う〜ん何ともいえない普通の顔、言うなら初期設定の最初の顔見たいな・・・まぁいいかカッコ悪くなければ」
後は情報収集だけどこの町の名前は何だろう。あのお姉さんに聞いてみるか
プレイヤー「すいません。この町の名前って何ですか」
お姉さん「何か用があるならあそこにあるギルド本部に行くといいわ」
プレイヤー「いや、名前を」
お姉さん「何か用があるならあそこにあるギルド本部に行くといいわ」
プレイヤー「わ、わかりました」
そういうとお姉さんは振り返ることなく歩いて行った。
「なんか怖いなぁ・・・NPCみたいな。でもギルドがあるのか。確かにあそこなら地図とか冒険者に必要なことが知れそう」
そして私はこの世界の情報を得るためにギルドに向かったのであった。
この建物がギルド・・・入るか。
ドアを開けると酒場やクエストや仲間の掲示板があったり、受付なんかもあります。
プレイヤー「これだよ、これ。う〜んたまらん」
見たことがあるような光景に興奮しているのですが、辺りを見回すと少し気になることもあった。
プレイヤー「それにしても案外人っていないもんだな。酒をガブガブ飲んでいる太っちょおっさん冒険者とか机で賭け事をしている奴らとか・・・案外大人しく飲んでるものなんだなぁ」
プレイヤー「まぁいいや、とりあえずこの町の情報を手に入れなければ受付の人に聞いてみるか」
プレイヤー「あの〜すいません。お聞きしたいことがあるのですが」
受付「はい、何でしょう」
受付の女性が笑顔で返事をしてくれる・・・可愛いいいいいいい。
この町で初めて笑顔というものを見たぞ。
受付「あの〜あの〜」
プレイヤー「あぁ!すいません。この町の情報が欲しいのですが」
受付「分かりました。この町ビギンは始まりの町とされており、全ての人がこの町からスタートします。仲間を集めて冒険もよし、生産職になって商売人になってもよし、ここから全て始まるのです」
プレイヤー「ビギン、ビギン・・・・・・どこかで聞いたことあるような・・・・・・」
受付「他にご用件は」
プレイヤー「あぁそうだ。名前って変更とかって出来るんでしょうか」
受付「残念ながら一度決めた設定を変更することは出来ません」
プレイヤー「うん?一度決めた設定・・・あの初期設定された覚えもないのですが」
受付「おかしいですね。あなた様のログイン記録は残っているのですが」
プレイヤー「ちょっと待ってください、ログイン?めちゃくちゃゲームの中でしか聞かない言葉なんですけど、もしかしてずっと引っ掛かっていたビギン・・・あのこの世界全体の名前は」
受付「この世界の名はNeoNew Nascent皆さん略されてNNNと呼んでいます」
プレイヤー「NNN!!!あの時紹介映像で流れた中にあった町の名前ビギン・・つまりNNNの中に転生しちゃったわけ!!!!!!」
驚き過ぎて人生で一番の大声を出してしまった。
受付「そんな大声を出されてどうされたんですか」
お姉さんは驚いているがその他にいる人たちは全然動作が変わっていない。
プレイヤー「この町にいる人たちはNPCだったのか、あれでも確かこのゲーム来年発売予定だからもしかして唯一のユーザーってこと?」
受付「そのようですね、プレイヤー様以外の現在ログイン記録は今のところありません」
プレイヤー「まさか未完成のゲームに転生してしまうとは・・・じゃあ誰とも会話出来ず仲間を集めて冒険したり時には恋愛なんてことも出来ずNPCの決められた文字を聞くだけNOーーーーーー」
受付「転生とは一体どういうことですか」
プレイヤー「つまりですね、私は・・・!そういえばあなた私と会話出来てますよね」
受付「出来てますよ」
じゃあこの子だけが唯一の・・・。
プレイヤー「あぁ〜良かった」
嬉しさのあまり彼女の手をぎゅっと握ってしまった。
プレイヤー「あなたがいなかったら私たった一人で過ごすところでした。す、すいません。つい嬉しくなって」
受付「どうやら私があなたの役に立っているのですね」
うんうんと首を縦に振った。
プレイヤー「そうだ名前聞いてなかったですね」
ルナ「では改めて。私このギルドで受付を担当しております、ルナ・ルーチェと申します。ルナとお呼びください」
プレイヤー「ルナさん、これから色々お世話になると思うのでよろしくお願いします」
ルナ「こちらこそよろしくお願いします、プレイヤーさん」
プレ「プレイヤーさんって・・・プレ、プレでお願いします」
ルナ「分かりました。プレさんですね」
とりあえずわかったことはどうやら私未完成のゲームに転生?したらしいです。
どうしていこう今後・・・。
時を同じくして現世
株式会社ネオニューの社内では全社員が集められ集会が行われていた。
社長「昨日開催されたNGSでNeoNew Nascent通称NNN正式発表を行った。もう逃げられません。しかもNGSの中でも群を抜いて注目もされました。中途半端なものを制作することは許されません。発売日は未定なもののいつまでも引っ張る訳には出来ません。非常に苦労すると思いますしもし失敗したら会社がなくなるかもしれません。しかし完成した時私達は確実に次のフェイズに進めます」
皆固唾を呑んで社長の言葉を聞く。
社長「今日からまた気を引き締めて皆さん頑張りましょう」
社員一同『オォーーーーーー』
会社の士気が上がり皆の気合が入った。
それぞれが席に戻り作業に取り掛かる。
林「いよいよ本格的になってきたなぁ山田」
山田「そうっすねぇ、本腰入れないと会社マジで無くなってしまいますからね、もし失敗したら俺クビっすかね林先輩」
林「そうだなぁお前は真っ先に辞めさせられるかも」
山田「そこはいや俺の責任です。こいつは残して俺を切ってくださいって言ってくださいっすよ」
林「その時の気持ち次第だな、そういえば昨日あったウチのブースで最後にサンプルの指輪をプレゼント1名にプレゼントしたんだけど間違えて実機テスト用の指輪とソフトをあげて」
席についてあ〜だこ〜だ言っていた。
秋「はいはい、二人とも1分1秒も無駄に出来ないのよ、喋っている暇があったら手を動かしなさい」
林「すいません、秋さん、山田手を動かせよ」
山田「秋さんの前では格好つけて」
林「うるさいぞ、山田今の進捗は」
山田「はいはい、とりあえずですねプレイヤーが一番最初にスポンされる町ビギン、そしてそのビギン内にある必要最低限の建物、花や木箱などといった装飾が配置されて、NPCも配置済み。しかしながらNPCはまだ打ち込んだ文章しか会話しか出来ません。唯一試しに自動会話システムを導入したのがビギンの町中にあるギルドの受付のルナただ一人です」
「他にもビギンの周辺にある草原、森、洞窟などにも必要最低限の宝箱やモンスターを配置してあります」
秋「なるほどね、山田君。ルナの会話は順調なの?」
山田「そっすねぇ、一応冒険者の名前や特徴を理解し日常的な会話は出来ていますが、現在テストでこの世界に入ったのが五人、これが何百人になった時にしっかりと覚え理解できるのかまではちょっとわからないところっす」
秋「いずれにせよ、会社全体でテストを行う時期を決めないとね。とりあえずこの段階でダンジョン内でのバグが起きていないか、確認しておいて」
林「分かりました。山田早速ダイブするぞ」
山田「了解っす」
林と山田は指輪をはめてVRメットを被り、NNNに入ったのである。
第2話
第3話
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