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二十四節気とゆたかな暮らし#04

皆さんは、日々の暮らしの中で四季の移ろいや、日本の豊かな文化に触れる瞬間はありますか?実は、少し意識を向けるだけで、私たちの日常はより豊かに彩ることができます。
例えば、二十四節気という暦を知ると、季節の変化をより繊細に感じ取れるようになり、その季節に合わせた行事や習慣を取り入れることで、心にゆとりが生まれ、生活にも潤いがでてきます。
日本文化の素晴らしさを多くの方と共有したいという思いから、「二十四節気とゆたかな暮らし」でご紹介した内容の一部を、ここでお伝えしていきたいと思います。豊かな日本文化の旅に、皆さんもぜひご一緒しませんか?


今月のこよみ

寒露 10月8日(火)

寒露は、露が冷たく感じられる頃を意味します。日中はまだ穏やかな陽気ですが、朝晩は少しずつ冷え込み、秋の深まりを感じます。虫たちの鳴き声もどこか寂しげで、秋の静かな時間が流れていきます。庭先に出て、朝露がきらきら光る様子に目を向けてみると、忙しい日々の中でも自然が教えてくれる小さな季節の移り変わりに気づけるかもしれません。

また、秋の実りが豊かになる時期でもあります。秋の味覚を楽しむとともに、手仕事や趣味を通じて心をゆっくりと整えるのも、この時期ならではの贅沢ではないでしょうか。寒露の頃、私たちが大切にしたいのは、季節の変化を感じながら、少しずつ生活のリズムを冬に向けて整えていくことです。

霜降 10月23日(水)

霜降は、秋がさらに深まる頃を意味します。気温はまだそこまで低くないものの、空気の乾燥や日の短さを感じ始める時期です。

道端の木々が色づき、秋の景色が一層鮮やかになっていくのを楽しむのもこの季節の醍醐味です。最近は昼間も暖かく、霜が降りるほどの寒さを感じることは少ないかもしれませんが、季節の移り変わりを足元の落ち葉や景色の変化から感じ取ることができます。

秋の穏やかな時間を楽しみつつ、体も心も次の季節への備えを始めることを大切にしたいですね。少しずつ自分のリズムを整え、心地よい季節を過ごしていきましょう。

今月の行事

十三夜 ~少し欠けた月を楽しむ、日本の趣深い風習~

10月中旬に迎える「十三夜」は、十五夜に次ぐもう一つのお月見として、日本で大切にされてきた行事です。今年は10月15日(火)です。
平安時代に、貴族たちが十五夜のお月見に続けて楽しんだのが始まりとされ、特に日本独自の風習として根付いています。十三夜の月は満月ではなく、ほんの少し欠けた状態ですが、その欠けた姿が「趣がある」とされ、美しいものとして古くから親しまれてきました。

十三夜をイメージした栗と豆の白味噌のお味噌汁

十五夜は豊作を祝う行事として広く知られていますが、十三夜は「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれ、栗や豆といった秋の実りに感謝する意味が込められています。また、昔から「十五夜」と「十三夜」両方の月を楽しむことが縁起が良いとされており、どちらか一方しか見ないと「片見月」と言って、運が片寄ると言われています。特に十三夜は、晴れやすいことから「無事に月を愛でられる夜」としても知られています。

十三夜は、秋の深まりを感じつつ、日々の生活にゆとりと豊かさを取り戻すための良い機会です。片見月にならないよう、十五夜に続いて十三夜も楽しみ、季節の巡りを大切にしながら、秋の夜長を味わってみてください。

旬のもの

脂控えめ、あっさり美味しい旬の「秋鮭」を味わう

先日北海道で暮らす家族から鮭が届きました。毎年この時期の我が家のお楽しみになっています。

丸々1匹分の鮭が届きました

鮭は回遊魚であるため、旬の時期は産地によって少しずつ違います。北海道は9〜10月、青森県は10〜11月、岩手県は9〜1月の秋から冬にかけてが鮭の旬です。今の時期に採れる鮭は卵や白子に栄養が使われるため、脂は控えめであっさりした味わいです。

国産でもっとも多く採れる鮭が「白鮭」。白鮭は、漁獲される時期や居場所によって呼び名が変わります。産卵のために川へ戻る、9〜10月頃に漁獲された白鮭は「秋鮭」と呼ばれます。

そんな旬の鮭を使った「鮭のクリーム煮」は、家族みんなで楽しめる一品です。温かい料理は体も心もほっとさせてくれます。さらに、鮭の濃厚な旨味とキノコ類との組み合わせもおすすめ。エリンギやしめじなどのキノコは食感が良く、栄養価も高いので、よりバランスの良いメニューになります。キノコには食物繊維やビタミンB群が豊富に含まれており、秋ならではの食材として鮭と一緒に楽しんでみてください。

鮭ときのこのクリーム煮

簡単に作れるクリーム煮は、忙しい日の夕食にもぴったり。旬の鮭とキノコを使った一品で、秋の食卓を彩りましょう。

おわりに

秋は、自然の移ろいを感じながら、心も体も豊かに過ごせる季節です。旬の食材や美しい月を楽しみ、季節ごとの行事や風習を大切にすることで、日々の暮らしが少しずつ彩られていきます。忙しい毎日の中でも、少し立ち止まって秋の恵みや自然の美しさに目を向けてみませんか?

季節の楽しみ方は、人それぞれ。自分なりの心地よい秋を見つけて、豊かな時間を過ごしてくださいね。

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