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文部科学省は、何を根拠に、教員採用試験の時期を早めると、教員希望者が増えると考えているのだろうか?

教員採用試験の時期を早めて、教員希望者を増やそうと文部科学省は考えているようです。

一般的に、教員採用試験は、7月に1次試験、8月に2次試験、9~10月に合格発表・採用内定という流れとなっています。こうした流れだと、早期化している企業の就職活動と両立することができません。したがって、人材が民間に流れる要因にもなっているとのこと。

では、どれくらい早めたらいいのでしょうか。そのためにはお尻をいつにするか、つまり、内定をいつ出すかということを決めなければなりません。

内定式は多くの企業で10月になっています。経団連が定めたルールで10月に解禁になることから10月1日の内定式が一般的です。この日に内定式を行うということはその前から内定であるというお知らせをしているということになります。
要するに、内々定です。
理系の学生だと3月や4月には内々定はもらっています。

ところが、教員には内々定がありません。10月に合格発表があり、それが内定ということになります。

つまり、企業と争うならば内々定を出す時期に合格発表を出さなければならないということです。

今まで10月に合格発表を出していたのを8月に出すのですか?
それでは意味がありません。
もっと早く出さないと企業との人材獲得競争には勝てません。

仮に6月に合格発表を出したとしましょう。
そうしたら、1次試験や2次試験は3月や4月の年度替わりの時期になってしまい、教育委員会内の人事異動も必ず行われるわけですから大きな混乱を招きかねません。
こうやって考えると、教員採用の時期を早めるといっても限界があります。

そもそも教員採用の時期を早めたら、教員の希望者は増えるのでしょうか。
それを文部科学省は学生にヒアリングしましたか。
少なくとも全国の大学の教育学部の学生にアンケートを実施して、「なぜ教員になろうとしなかったのか」という理由をきちんとヒアリングしていく必要があると思うのです。

肝心の学生の声を聴かずして対策を講じるというのは、お客様のニーズを考えずに商売するのと同じです。



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