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コーヒーが飲めるようになりたい
私は今、3階から人を見下ろしながらココアを飲んでる。
目の前には片側3車線もある、大きな道路。
車がひっきりなしに走っている。
ほとんどの車が白。
あとは黒と、シルバーと、時々青、赤、黄色。
黄色はうそ。まだ見てない。
あ、今えんじのトラックがとおった。
一定時間ごとに車の動きが止まる。
車が止まったと思えば、人が足早に黒白の道を歩きだす。
この街の人は、みんな時間に追われてて、
スーツを着たサラリーマン、
腕時計で時間を確認する女性、
四角いリュックを背負って自転車を漕ぐ男性。
みんなそれぞれの場所目掛けて歩いていく。
きっとこの街で時間に囚われず過ごしている人は
私と、同じカフェで大声で話してる女性2人組だけなのかもしれない。
連絡すればすぐ人には会えるし、泊めてもくれるけど、私はこの街があんまり好きじゃない。
なんだか、せかせかしてるし、ごちゃごちゃしてて、心が休まる暇がない。
ぎゅーっと縛られてる感じ。
この街に勢いで来て4日目くらい。
毎日違う男の人と初めてあって、お話して、お酒飲んで、ベッドで眠る。
どんどん自分が穢れていく。
きっともう、この街に来る前の自分には戻れない。
どんどん穢れていくとわかっているのに、
初めましての男の人と会うことを辞められないのは、自分が弱いから。
寂しがり屋で、めんどくさくて、悲観的で、自分1人じゃ生きていけないから。
「自分で不幸になれる人は、自分で幸福にもなれる」
昨日男の人を待ってる時間に読んだ本に書いてあった。ほんとにそうなんだろうか。
自分が今不幸かどうかは分からないけど、
今やっていることで幸福になれるとは思わない。
何人もの男の人に会ったけど、思い出すのは1人の男だし。寂しさが埋まるわけじゃないし。
いいことと言えば、タダでご飯が食べれて、タダでお酒が飲めること。あと、酔っ払ってよく喋る私の話を聞いてくれる人が目の前にいること。
明後日の昼くらいには佐賀に戻らないといけない。
あの、窮屈な部屋にもどらないと。