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【エッセイ】類は友を呼ぶなら取捨選択する

「類は友を呼ぶ」とは、「似たような性格や考え方を持つ人は自然と集まって友達になりやすい」という意味らしい。たとえば、楽観的な考え方をする人のまわりには自然と楽観的な人が集まり、共通の趣味や趣向を持つ人同士は引き寄せられるように仲良くなっていくのだろう。やはり、人は自分と似たものに安心感を抱くのかもしれない。

とある人はこのことわざを聞いて、こう嘆いていた。「俺は20代の間、仕事に全力を注ぎたいと思っている。それなのに、周りにはプライベートを充実させたいと考える人ばかりが集まる。どうしてなんだろう?」

深掘りしてみると、その人は今頑張っていることや将来やりたいことを生き生きと語れる友人が欲しいのだという。けれど、実際に周りに集まっているのは、仕事の愚痴をこぼす人や、まだ20代にもかかわらず夢に飽きてしまった人、弱音を吐いて気持ちを紛らわそうとする人たちばかりのようだ。

さらに、その人自身、周りと比較しては落ち込みやすい性格だという。何でも他人の意見に「yes」と答えてしまう、いわゆる“イエスマン”で、本当はやりたいことに手をつけられず、後悔することが多いらしい。飲み会には参加せず、理想とする生き方や人間関係のイメージはあるようだ。ただ、一度にすべてを満たそうとせず、少しずつ一つ一つ解決していければと思う。

その人は、自分の理想とは真逆の行動をとっているため、なかなか解決できないのかもしれない。言い訳ばかりする人ほど不安を抱え、不幸せになることが多いと考えているようだ。そして、自分の好みではない、理想とは異なる人物が、たとえ理想的な生き方をしていたとしても、自分に近づいてくる限り、うまくいかないと感じているらしい。

ただ、僕もその人と同じように、人生や仕事に対して前向きな人と付き合いたいと思う。「人間関係を良くしたい」や「結婚したい」といった表面的な目標よりも、「モノを減らしてミニマムに生きたい」や「スキルを身につけたい」という内面的な強化に力を注ぎたいのだ。

その人には、「コントロールできないことで悩まず、今、自分が対処できることに集中すれば、一歩ずつ理想に近づける」と伝えたかった。でも、もうその機会はない。なぜなら、私自身も理想に近づきたいからだ。毎回愚痴や弱音を言う一方で、人の話は聞かないその人との付き合いをやめることにした。自分の理想だけを押し付けられても困るし、私にも自分の理想があるからだ。

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