みりん

LSE大学院生(2024/25)。ロンドンと自宅のあるモスクワで普通に暮らす中で「なんか気になる」と思ったことを記録します。登場人物の名前は注釈がない限り仮名です。家族はモスクワ駐在員の先輩(夫)とPoppyPlayTimeが大好きなポピ子(娘)。

みりん

LSE大学院生(2024/25)。ロンドンと自宅のあるモスクワで普通に暮らす中で「なんか気になる」と思ったことを記録します。登場人物の名前は注釈がない限り仮名です。家族はモスクワ駐在員の先輩(夫)とPoppyPlayTimeが大好きなポピ子(娘)。

最近の記事

秋学期前半を振り返る(第1週~第6週)・学習編

9月30日から授業の第1週が始まり、なんとか1カ月半、無事に乗り越えることができた(たくさん傷付くことはあったけれど)。まず、とにかく忙しい。生活するのに必要最低限のことをしている以外はほぼ机で勉強している。それでも予習・復習が追いつかない。   ▽叩き込まれる知識 私の秋学期の時間割は、月・木・金に講義(大教室で教員が概要を説明する授業)があり、それに付随するセミナー(学生が少人数で講義の内容を議論する授業)が月・火・木に入っている。1つの講義とセミナーで課される読書はだい

    • LSEのウェルカム・ウィークで胃を痛める(その3・単位登録で裏技を決める)

       ※「その2・LSEという獣」から続く   London School of economics and Political Science (ロンドン・スクール・オブ。エコノミクス・アンド・ポリティカルサイエンス) のウェルカム・ウィークの最大の山場は、単位登録(時間割決め)だろう。大学全体のサービスから学科・科目説明会までありとあらゆる情報を詰め込んだ1週間の後半、つまり木曜日の午前中に、「それでは決めてください」と言わんばかりに単位登録のウェブページがオープンした。しか

      • LSEのウェルカム・ウィークで胃を痛める(その2・LSEという獣)

         ※「その1・学長のスピーチ」から続く   ▽アカデミック・メンターを決める 秋学期が始まる前の1週間にLondon School of Economics and Political Science (ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカルサイエンス、以下LSE)に関するあらゆる情報をこれでもかと詰め込んだウェルカム・ウィークは、9月23日から始まった。私の在籍する国際開発学部は、事前にアカデミック・メンター(身の回りのことから卒業論文のことまで相談に

        • LSEのウェルカム・ウィークで胃を痛める(その1・学長のスピーチ)

           London School of Economics and Political Science(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカルサイエンス、以下LSE)は秋学期の授業が始まる前に、Welcome Week(ウェルカム・ウィーク)という気が遠くなるような情報量を消化しなければならない1週間を設けている。そこでは、大学・学部・学科・教員・施設・サービスなどの説明会や歓迎会・キャンパスツアーなどのイベント、正式な学生登録、科目登録と人気科目の選考まで

        • 秋学期前半を振り返る(第1週~第6週)・学習編

        • LSEのウェルカム・ウィークで胃を痛める(その3・単位登録で裏技を決める)

        • LSEのウェルカム・ウィークで胃を痛める(その2・LSEという獣)

        • LSEのウェルカム・ウィークで胃を痛める(その1・学長のスピーチ)

          学生寮で段ボールと格闘する(その2・自転車を買う)

          ※「その1・寝具とキッチン用品を買う」から続く   ▽自転車派かバス派か 寝具やキッチン用品、食材などをそろえたら、最後は自転車の購入だ。通学はバス派と自転車派に分かれるようだが、私は断然、自転車派である。理由は三つある。一つは、ロンドンのバスや地下鉄の料金は安くないから。試しに一カ月にかかるバス料金を計算してみると、バスは乗車1回で約320円(2024年9月16日時点)。学校と寮を往復すると1日約640円かかる。それを週5回繰り返すと、1週間で約3200円、1カ月で約128

          学生寮で段ボールと格闘する(その2・自転車を買う)

          学生寮で段ボールと格闘する(その1・寝具とキッチン用品を買う)

          9月6日にLondon School of Economics and Political Science(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカルサイエンス)の学生寮に入居してからというもの、4日間くらいは生活環境を整えることに没頭していた。大学を卒業したての若さがあれば、多少の不便は気にならないと思うが、30代も半ばを過ぎて家族を持つと、Quality Of Life(クオリティー・オブ・ライフ)を向上させることは最重要事項の一つになってくる。それは単

          学生寮で段ボールと格闘する(その1・寝具とキッチン用品を買う)

          ロンドンは釧路を思わせる街だった

           9月4日正午過ぎ、ロンドン・ガトウィック空港に降り立った。3日夜にモスクワ・ドモジェドボ空港で先輩(夫)とポピ子(娘)と別れ、早朝のアラブ首長国連邦・ドバイ空港で約2時間トランジットしてロンドンへ。片道約14時間かかったから、直行便で日本からロンドンへ来るのと時間的に大差ない。モスクワ―ロンドン直行便があった頃は片道約4時間だったというから、本当に不便になったものだ。ところで、私にとってこれが初めてのロンドンである。   London School of Economics

          ロンドンは釧路を思わせる街だった

          モスクワ日本人学校バレエスタジオ(その3・ユニークな教授法)

           ※「モスクワ日本人学校バレエスタジオ・その2」から続く   ▽中国の踊り 小学生3人が卒業した後の8月下旬、ポピ子と亜衣ちゃん・麻衣ちゃん姉妹の未就学児3人だけのレッスンが本格的に始まった。「お背中丸いですよ、ピンとして」「(膝を曲げてつくる)机ってどうなってる?」――柔軟体操中でも、千野真沙美先生の厳しいチェックが入る。しかしポピ子の表情を見ると涙はなく、親が見たこともない真剣なまなざしで指示を聞いているから興味深い。ただ、先生の言っていることが理解できずぽかんとしてしま

          モスクワ日本人学校バレエスタジオ(その3・ユニークな教授法)

          モスクワ日本人学校バレエスタジオ(その2・千野真沙美先生のレッスン)

          ※「モスクワ日本人学校バレエスタジオ・その1」から続く ▽3回泣きついた 急遽、千野真沙美先生のバレエレッスンを体験することになった保育園児の娘・ポピ子は、小学5年の翔平くん・小学2年のさくらちゃん兄妹と小学4年の雄太くん、そして幼稚園児の亜衣ちゃん・麻衣ちゃん姉妹とともに、鏡張りのスタジオに入室した。保護者は室内に用意されたパイプ椅子に座って様子を見守る。 レッスンの前半はストレッチを兼ねたリトミックで、それぞれが床に敷いたマットの上に足を伸ばして座り、足の甲を上下に動

          モスクワ日本人学校バレエスタジオ(その2・千野真沙美先生のレッスン)

          モスクワ日本人学校バレエスタジオ(その1・千野真沙美先生に出会うまで)

          モスクワ日本人学校バレエスタジオ(モスバレ)は会員募集中である。戦争でモスクワ日本人学校の生徒数が激減し(2024年度新入生は1人)、それに伴ってかつて20人以上いたというモスバレの会員も9人、5人と櫛の歯が欠けるように減っていって、今は娘のポピ子を含めて主に4~5歳の未就学児3人で活動している。 09年の設立以来、講師を務めるのは、国立ロシアバレエ団の日本人初プリマバレリーナ(主役を演じる最高位の女性バレエダンサー)であり、現在は同バレエ団の教官を務める千野真沙美先生(注

          モスクワ日本人学校バレエスタジオ(その1・千野真沙美先生に出会うまで)

          ロシア版のマック・スタバ・サーティワン

          7月初旬にモスクワに到着して、すぐに気付いたのは、マクドナルド(マック)やスターバックス(スタバ)などの有名ファストフード店が、雰囲気はそのままにして見知らぬ店名に変わっていたことである。例えば、マックは「フクースナ・イ・トーチカ」に、スタバは「スターズコーヒー」に、サーティワンアイス(サーティワン)は「ブランドアイス」に。商品の名前やラインナップは若干変わったが、味はほとんど変わらない、というよりも、いくつかの店では、本家の味を上回っていると思うことさえある。モスクワの日常

          ロシア版のマック・スタバ・サーティワン

          ロシア語家庭教師のリラ先生(ロシアで出会った人のこと・その2)

          リラ先生は私が2017年夏にモスクワに来て、最初にロシア語を教えてもらった先生だ。モスクワ中心部にある国立研究大学経済高等学院で日本語講師をしながら、日本人駐在員とその家族のロシア語家庭教師も務めていて、私は知人を通じて彼女を紹介してもらった。東北大学に語学留学していた才女で、年齢は30代そこそこの私と同じくらいか若く、ストレートの金髪ボブスタイルと、「赤毛のアン」のようなそばかすがとてもチャーミングな人だった。 先生は日本文化に造詣が深く、日本の“ゆるかわ”系キャラクター

          ロシア語家庭教師のリラ先生(ロシアで出会った人のこと・その2)

          語学学校CREFの仲間たち(ロシアで出会った人のこと・その1)

          8月11日に秋雨が降ると、すぐに気温が低下して一気に秋めいた。朝は15度前後で、長袖に軽い羽織がないと寒いくらいだ。11日の雨は確かに秋雨だった。なぜ分かるかというと、降り方がこれまでの雨と明らかに違ったからである。夏の雨はスコールだ。どす黒い雨雲が近づいてきて、ヒューと冷たい風が吹くと一気に激しく降り出す。そしてすぐに止む。一方、秋雨はしとしとしとしと、冷たい雨が長い間降り続く。そんな雨が降って、モスクワはさわやかな秋を迎えた。 7年前の今ごろ、私はモスクワ中心部にある語

          語学学校CREFの仲間たち(ロシアで出会った人のこと・その1)

          ロシアの蚊に襲われた

          7月中旬のある日の晩、私とポピ子(娘)は寝室でロシアの蚊に襲われ、分かっているだけで、2人で計20か所以上刺された。 いつものように二人でクイーンベッドに寝ていると、何やら両腕に痛みが走って目が覚めた。そしてかゆい。真っ暗で何も見えないが、「プ~ン」という羽音は聞こえる。え、うそ、ロシアに蚊っているの? と混乱している間に、両手の人差し指や薬指にも痛みが走る。やばい蚊がいるぞと私は起き上がり、ポピ子に遠慮なく電気を付け、キッチンからノートを持ってきた。叩き潰すためである。ど

          ロシアの蚊に襲われた

          体温計4本試したけど熱が測れなかった話(たぶんコロナその2)

          ※「たぶんコロナその1」から続く EMCから戻った夜、さっそく寒気と頭痛がしたので、これは熱が出たきたなと思い、先輩(夫)に仕事帰りに近くの薬局で体温計を買ってきてもらった。先輩がいくつか提示された体温計の中で買ってきたのはオムロンの電子体温計で、これはいい物を買ってきてくれたと思った。ほかに水銀の体温計もあり、薬局の店員さんは「正確性なら水銀の方がいいけど、電子体温計の方が早く測れますよ」と説明してくれたそうだ。オムロンだって正確に測れるだろうと思っていそいそと測ってみた

          体温計4本試したけど熱が測れなかった話(たぶんコロナその2)

          急性咽頭炎の診断と薬代に4万8千円した話(たぶんコロナその1)

          モスクワでひどい風邪を引いた。7月27日の午後、胃腸の調子がおかしいと思ったら、喉が腫れ、痰が絡み、頭痛・悪寒・発熱(おそらく)が出て、くしゃみ・鼻水、おまけに倦怠感とブレインフォグと一通りやった。今は運動をして疲れたりすると明らかに喉と鼻の調子が悪くなるので、できるだけ体力を温存するようにしている。コロナに罹ったのだと思う。 29日の朝に喉が腫れた時点で、日本から持参した風邪薬じゃ手に負えないと感じ、すぐにモスクワ駐在員とその家族がよく利用するEuropean Medic

          急性咽頭炎の診断と薬代に4万8千円した話(たぶんコロナその1)