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ひとりでいい、と思っていた【散文】

結婚する前の自分は本当に独りよがりだった
自分の骨なんか海にでも撒いてくれればいいと
さらには子供が出来て180度変わった
誰かを守らなくてはならないと
単にオトナになったのか
コドモではなくなったのか
それは分からない
少なくともコドモの立ち位置に自分は居れなくなった
たった一人で逝きたいというささやかな夢は消えてしまったという想いは今でも残っている
一人じゃなくなっても
孤独にはなれなくても
人は一人で考える
考えが変わってしまっても
重荷を背負わされても
ヒトリノジブンは死なない
独りよがりで 我儘で 少し弱くて 
大人の面皮を被った小人みたいな自分が
どこかでひっそりと生きている

【了】

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