この春、中学生になった長男。委員長に立候補したり、部活の見学で雨の中ずぶ濡れでサッカーをしたりと忙しいスタートを切っていた。 そんなある日の夕方。いつもなら「ただいまー」と、まだ変声期を向かえていない軽やかな声が聞こえるはずが、玄関のドアを開けしめする音だけが響いてきた。 (なにかあったな) ピーン。父さん、妖気です。と◯太郎ばりに勘づきつつ平静をよそおい 「お帰りー」 といつも通り声をかける。 部屋から出て見に行ってみると、制服をハンガーにかけながら、うつむき加減の長
何の気なしに読み始めたラインマンガ「ユミの細胞たち」。スキマ時間にラインマンガで気分転換をすること早や数年。大分お世話になっている。 利用していると、あなたが好きそうなマンガが自動的にオススメに上がってくるのだが、長年読んでいるとオススメされるマッチングの精度もどんどん上がってくる。 あんた〜私のこと、よーけわかってくれてるやないの。どっかの姐さんのようにラインマンガに呟きたくなる。それくらい、自分の嗜好を丸わかりされているのも少し気恥ずかしいが、そのオススメ欄に「ユミ
大きな声では言えないが、アラフォーの私はこの年になるまで1度もスタバに行ったことがない。 そんなこと言ったら、国民的アニメの元祖婿殿マ○オさんばりに、みんな両手両足をピーンと伸ばし 「ええーっ」 とびっくりするに違いない。 だから、スタバの話題になっても、へへへと不気味なうすら笑いを浮かべて そうだよねーうん、美味しいよねーなどとコーヒーではなくお茶を濁していたのである。 超大貧民家庭で育った私は、そもそも外食はおろか自販機でジュースを買うことすら一大イベントであった
*とてもくだらない内容です。虫が苦手な方はご注意ください。 とある夏の暑い朝。ベランダで、せっせと洗濯物を干していると、目の端に黒くうごめくものが。ゲッ。何。 キレ気味でそのものを凝視すると、ひっくり返って手足をバタつかせているカナブンだった。 なんてこったい。このまま見なかったことにするかどうするか。逡巡した後、近くに置いてあった箒を持って、カナブンにクモの糸ならぬ箒の先をたらした。さあ、これにつかまりたまえ。 カナブンはもがきつつ、なんとか箒の端につかまって、身を
一昨日の夕方。夕飯を作っていると、次女が大きな声で 「わあ!空が黄色」 と窓の外を指さした。 私も包丁を動かす手をとめ、視線を外へ向けた。 ぼんやりとした黄色が空を覆っているようだった。 「ほんと、黄色だね。不思議だね」 と私がこたえると次女は私を見上げて 「神様のおしっこ。神様がおしっこしたんだね。」 「あ〜すごい!そうだね!そうかもしれないね。」 思いもしない発想に大笑いした。 「神様おもらししたのかなあ?」 と面白がってたずねると 「ちがうよ。神様はトイレないもん。空に
明日は父の日。 「お父さん明日は何を食べたいかなあ?」 私が聞くと、子ども達はしばらく考えこんでから、口をそろえて 「ビール!」 夫に話すとニヤリと笑って 「大正解」 さて、何を作ろうか。 #3行日記
布団に入りエアコンの冷たい風が心地いい。夫が買ってきてくれたチョコアイスが美味しかった。今日も仕事がんばった。 同僚の方と沢山笑って過ごせたし。 子ども達も今日も元気だった。 いつも聴くラジオがとっても面白かった。 今日もありがたい1日。 #3行日記
音楽がないと生きていけないので、名前をotoにしたくらいの音楽好きな私。 そんな私の勝負曲は、パターン別でいくつかある。年代別でオススメしてみる。 《出勤前の背中を押す曲》 【20代へのオススメ】 ・Official髭男dism「コーヒーとシロップ」 車内でアイスコーヒー片手に熱唱したら気分もスッキリ 【30代へのオススメ】 ・backnumber「泡と羊」 ウィ○ーinゼリーを流し込み、満員電車で聴いてみるとめっちゃ励まされる 【40代へオススメ】 ・サンボマスター
コミュ力おばけがいる。私の職場にもいた。背がスラッと高くショートカットがよく似合う、いつも微笑みを浮かべた彼女。 私より3つ年下の彼女は、誰からも愛されていた。皆、彼女と話したくて、吸い寄せられるように集まっては、心底楽しそうに笑い声をあげている。 ご多分に漏れず、私も彼女といると饒舌になりジョークもバンバン飛ばせて、まるで自分が自分じゃないように明るく楽しく過ごせた。 人たらしというのは、彼女のような人のことを指すのだろう。結婚後、しばらく家庭に籠もってカオナシに
フラワーガール・ボーイ。結婚式のヴァージンロードを可愛く彩る子ども達。柔和な腕に、童話に出てくるようなバスケットをぶら下げ、色とりどりの花びらを降らせる。その姿はそう、まさにエンジェル。 幾度か結婚式に参列したことはあったが、実際に目にする機会はなかった。それが何と、大事な妹の結婚式でわが子達がつとめることになったのである。 シャイな子ども達は最初は難色を示したが、退場の時だけの登場にすることと、終わったらご褒美がもらえるというエサに釣られ引き受けてくれた。 私は数ヶ
オバサンという呼び名を受け入れることが、40を前にしても難しかった。貴様、いつまで女子でいるつもりだと頭では十分わかっていても心が追いつかない。 だって、ついこの間まで若い若いと褒めそやされ、蝶よ花よと暮らしていたのだから。 しかし、もう観念した。職場の20代女子は黙っているだけでキラキラ輝いていた。ちょっとしたことで、大きな声で笑う姿を遠目に見ながら、ああ、これが箸が転んでも笑うというやつかと思い知った。 かたや私はついさっき言ったことも忘れる。もしかしてだけ
いってらっしゃいのハグ。欧米か!とツッコまれそうだが、これがわたしの習慣。 毎朝、3人の子ども達を見送る時は必ずハグをする。もう長男は、さすがに少ししかさせてくれなくなったけれど。それでもハグして、何なら頭にキスまでしてしまう。 これをしないで見送ってしまった朝は、何だかソワソワ落ち着かない。 こう書くと朝しかしてないようだが、そんなことはない。 寝る前のハグも頭にキスも、末っ子次女はまだ小さいから、ほっぺたにまでキスさせてくれる。キスというより、食べている。ハグハグ