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「【推しの子】」と「かぐや様は告らせたい」をつなぐもの

【推しの子】アニメ2期楽しみだね企画・第2弾!
今回は、赤坂アカ先生が作っている両作品に通ずるものについて語っていきたいと思います!

2作品が同じ世界での話であり、「今日あま」が出てくる・不知火ころもとフリルが姉妹・四宮グループが出てくる・ルビーのカメラマンが「白銀かぐや」等々いくつかの匂わせ要素があることは有名だと思います。
今回の記事では、それ以外のもっと根底の、ニュアンス的な部分での両作品の共通点について書いてみました。楽しんで頂ければ幸いです。それでは!

※原作準拠のため、ネタバレを含みます。注意!


目👁

「かぐや様」には「目」に関連する文言が多く登場します。
※以下に例を出していますが、自分用にできるだけ書き出したら長くなってしまいました。読み飛ばしていただいても結構です。

「四宮が暗殺者のようなをしている…!」(5話)
目つきが悪いところとか…」      (16話)
「ボールを打つ時はを開けるんです」  (23話)
「僕…を見ればその人の本性が5~6%分かるんです」(24話)
「この女 目から血が吹き出しそうな程悔しがっている」(30話)
「生徒会随一の観察眼を持つこの男だけはそれに気づいてしまう!」(32話)
「いつも死んだ目してるからさ」(37話)
「面影ある!!眼怖いところとか!!」  (39話)
『そして、石上優は目を閉じた』 (55話、80話、88話、245話、246話)
「私のを信用できませんか?」(55話)
「こんなにキラキラした目で語られたら何も言えない!」(56話)
「濡れた紅玉(ルビー)のような瞳」   (62話)
「キリリとした力強い瞳」        (〃)
おおいぬ座α星のように煌めく瞳をして…」(63話)
「あんなにかっこよかった会長のが!!うう~!!えーーーっ!?」(〃)
「どうしてそんなで見るの?」 (68話)
「何にも期待をしていない 氷のように冷たい眼をした少女…」 (79話)
「なんだ?その不貞腐れたは…」 (89話)
「大事なのはを逸らさないことだ」 (91話)
「石上くんのココがダメ!『時々私を素で見下したで見る』」(127話)

「かぐや様は告らせたい」より(話数はカッコ内)

長くなり、すみません。
これ以外にもありますが、会長とかぐやのお互いの好きな部分として”目”があったりと”目”が意識的に扱われているといえるのではないでしょうか。
さらには、表紙。「かぐや様」のコミックス表紙は基本的にキャラが描かれていますが、全28巻のうち22巻がキャラの”目”にハートが重ねられています。

対する「【推しの子】」。こちらは言わずもがな、アイやアクア、ルビー等の「目」に星が描かれており、魅力や才能の象徴として「目」の輝きが使われています。また、こちらもセリフとして「を焼く程に眩い太陽の様な巨星(スター)の演技」、「何かを強く訴える視線は 見る者の心に 何かしらの爪痕を残した」など”目”が意識的に扱われたものがままあります。

はい。だから何だというわけではないです。強いて言うなら、「かぐや様」の側は人を測る、見る物としての目が多いのに対して、「【推しの子】」は人の目を引く、見させる物として目が使われており、同じように”目”がキーポイントになってはいるけれどその使われ方は対照的である、といえなくもないです。


親に愛されない

(【推しの子】)
雨宮ゴロー
 →母親は産むと同時に死亡。父親は分からない(逃げた)。
天童寺さりな→病気にかかったことで元々いなかったかのように扱われる。最期のときも来てくれなかった。
星野アイ  →母は窃盗で捕まり刑務所から釈放されても迎えに来てくれなかった。虐待も受けていた。
有馬かな  →母親に第二の人生として夢を託され、人気が落ちたのでポイされる。

(かぐや様)
白銀御行
  →お受験失敗で母からの関心を失い、置いて行かれたことが心の傷に。
四宮かぐや →父親は家族としての思い入れがあるにはあったようだが、関係は冷え切っていた。母親を幼いときに亡くす。

愛に飢えたやつのなんと多いことか。とりあえず、関係者各位はミヤコさんを見習いましょう。もしくは息子のためにパパ活をする白銀父。


嘘の自分を演じること

人は演じないと愛してもらえない
弱さも醜さも演技で包み隠さなければ愛されない
(中略)ありのままの自分が愛される事なんて絶対にない

「かぐや様は告らせたい」第93話「かぐや様は連れ出したい」より

人は愛される為に 理想を演じ 不満を黙し 他人を騙す生き物である
故に恋する者は恐怖する
偽る自分から 偽る相手へ

「かぐや様は告らせたい」第135話「二つの告白 中編」より

好きな人に好きになってもらうには自分とは違う自分を作り上げなきゃいけない

「かぐや様は告らせたい」第147話「私たちの仮面(白銀編)①」より

人は愛されたいと望むから背伸びをする
私たちはお互いに背伸びをして 一歩ずつ歩み寄って 手を伸ばし合ったから
今こうやって手を重ね合っているのだと思います

「かぐや様は告らせたい」第151話「ファーストキッスは終わらない」より

かぐやも会長もお互いに愛されるために自分の弱い部分を隠し、演じている人間でした。かぐや様は「人を有用かどうかで見る冷たい自分」を、白銀は「完璧でない弱い部分ばかりの自分」をそれぞれに仮面で隠していました。それをお互いに受け入れ合うことで、ありのままの姿で寄り添い合えるような関係になったのがいいですよね。それはともかく、”愛される”ために”演じる”ことが作品を通して描かれているといえます。

嘘は とびきりの愛なんだよ?

「【推しの子】」第1話「母と子」より

嘘でも 愛してるなんて言って良いの?

「【推しの子】」第8話「星野アイ 前編」より

演じる事は僕にとっての復讐だから

「【推しの子】」第9話「星野アイ 後編」より

対する「【推しの子】」。こちらも、愛しているという嘘が本当になることを夢見て綺麗な嘘をつくアイをはじめとして、”愛”のために”嘘をつく”様が描かれています。あと、最近の話でカミキくんも「誰かに愛されるためになんにも分かってない純粋な少年を演じてる」って言ってましたもんね。闇期ルビーも「私の中の醜い感情を 演じる事でどうにか隠してきた」って言ってたし。現実の芸能界だって”嘘”は溢れているし、演じることは”嘘”に近いという意味で、この作品でそれらが取り上げられることは必然だったともいえます。
ただ、最後に引用したアクアくん(推定)のセリフだけちょっと他とは違うかもしれません。「僕は誰も愛さないし 誰かに愛されてもそれに何かを返すことはない」って言ってましたけど、実際のところどうなんですかね。

何にせよ”嘘をつく””演じる”ことは”愛する”ことの裏返しであり、「嘘」「愛」という根底のテーマの部分で2作品はつながっているといえます。


男主人公の善性

星野アクアという男は根がバカ優しい、なんだかんだで困っている人を放っておけないキャラです。

・ダメな実写化だった「今日は甘口で」の最終回を良い感じにする
・自殺しようとしていた黒川あかねを助ける
・「本当のリアリティーショー」を作り黒川あかねの誹謗中傷過熱を止める
・ぴえヨンになりすまし、B小町のレッスンを手伝う
・感動代ついでに吉祥寺先生にアビ子先生の説得を頼み、脚本問題を解決
・演技で悩んでいたメルトに演出含めたアドバイス
・引き立て役になり、有馬かなの本気の演技を引き出す

などなど。ホントにこの人、復讐向いてないですね。
それはそれとして、「困っている人を放っておけない」ってどこかで見たような…?

実はすっごく優しくて 困ってる人を放っておけない所とか…

「かぐや様は告らせたい」第16話「かぐや様はこなしたい」より

MIYUKI SHIROGANE!!

そうです、白銀御行です。彼もまた困っている人に救いの手を差し伸べる”善い人”です。石上くんを部屋から出し、伊井野ミコを笑わせないように選挙に勝ち、かぐやに花火を見せる。見返りもなく汚れることのできる、そういう男です。
そういう意味では、もしも白銀がアクアと関係があったら事情を知ってなお復讐の協力をするのか、という空想をよくしています。皆さんはどう思いますか?


「愛」を伝えるシーンが最高

これが俺の気持ちだ

「かぐや様は告らせたい」第136話「二つの告白(中編)」より

貴方が好き 私と恋人になって…

「かぐや様は告らせたい」第160話「かぐや様は 後編」より

ルビー アクア 愛してる

「【推しの子】」第9話「星野アイ 後編」より

どちらも溜めに溜めて放たれるものがむっちゃヤバいっていう話です。
なんていうか、「”愛”を言語化する」、「”愛”を伝える」ということに他の作品以上に非常に真摯に向き合っているからこそ、ここまで最高なシーンになるんだなって思います。「かぐや様」なんてそれこそが至上命題だったわけで。どちらの作品とも、やっぱり”愛”が重要なんだなと感じます。


なかよし兄妹♥


アクルビ

 白銀兄妹


おしまい

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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