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春の長崎小旅行④。


シティと公園論

本当に暑い日だった。4月なのにもうゴールデンウィークの頃の強い日差しを感じた。つまりもうほぼ夏という感じで半袖で来てよかったと思った。
大浦天主堂から降りてきて海辺の公園に向かう。
グーグルマップで見てすぐこの公園で休もうと思った。
え?街中にこんな公園あるのというぐらいの広さの公園、水辺の森公園というらしい。
その広い公園の端っこで海に向かう階段に座りしばし休憩。
造船所と湾の入り口の大きな橋がよく見える場所。
軍艦島へ行く船もここから出ているようだ。
前に小さな子を歩かせてる若い夫婦、犬の散歩をしている中年男性。
いろんな人たちが週末のシーサイドを楽しんでいる。
やはり街中に広い公園があるというのがいいんだな。
大分にもう公園はあるけれど、なんかしょぼいしとりあえず作った方がよさそうだから作りましたって感じで都市計画ってそういうことではないだろうと思っていた。
シティの公園はたくさんの人が来ることが考えられていて利用者のこともちゃんと考えられている気がした。
思い思いのことをしていいんだという気分にさせてくれる。
それも海に開かれた潮風の気持ちのいい公園だからだろうか。

海がいちいち気持ちいい

長崎らしく皿うどん

お昼はみらく苑にしようと決めていた。
今来た道を少し戻る。オープンすぐに行かないと人気店ぽいので座れないかもしれない。
11時のオープンと同時に店内へ。
昔ながらの大きいテーブルがいくつもあるタイプのお店。
今どきのぼっち席などはもちろんない。
とりあえず奥に座って皿うどんの気分だったのですぐ皿うどんを頼んだ。
最初はそこまで混んでいなかったが、20分過ぎ頃には大人数の団体も来てすぐ店内はいっぱいになった。
少し心細かったが、もう一人ぼっちのお兄さんがいてくれたので少し落ち着いた。
壁には長崎ランタンフェスティバルのポスターがたくさん貼られていた。
もう4月なのにまだ2月のポスター貼ってんの?とは思いつつも、そっか、長崎ってランタンフェスティバルの頃に来るものなのかと新鮮な驚きがあった。
ケータイですぐ調べると今年の長崎ランタンフェスティバルは過去最多の来場者だったらしい。
何も知らずに4月にノコノコやって来た自分が馬鹿みたいだった。
客が多いので少し待ったがやっと皿うどんにありつく。
これが長崎らしい初グルメだ。
もちろんうまい。うまいけど、ちゃんぽんにすればよかったと思った。
そもそもクソまずい皿うどんってないよね。
母がよく家でも作ってくれていたのでそれを思い出した。
悪くないけど普通かなとか言いながら一瞬で完食。
さらに混んできそうなので早々に店を出る。
店を出て中華街までの道を探る。なんだこの道はオランダ通りで朝に中華街から歩いてきた道の先なのか。
オランダ坂を上がってしまったからわからなくなっていただけだった。
中華街のドーミーの前に戻る。Jさんとの待ち合せはホテルの前にしていたからだ。
あっという間に食ったので歩いて戻っても微妙に時間が余った。
パチンコ屋の前のベンチで座って時間を潰した。

ちょいぶれ皿うどん

Jさんと浜町を歩く

待ち合わせの1時前にJさんは来た。
少し遠くからお待たせしました~と予想よりも大きな声で近づいてくる人がいた。Jさんだった。
僕は少し周りを気にした。別に秘め事にする必要もないけれど、地方のゲイの待ち合わせでそんなに元気に入って来られたことはない。
みんなそれなりに控えめだったので少し面を食らった。
さらに面を食らったのはJさんの着ていた服だった。
Jさんはホームセンターで売ってそうな大きなクマの顔が両胸についた上着を着ていた。
例え95%オフでも95%は買わないだろうというやつ。
クマが変にかわいい意味が分からなかった。
一瞬うわっと思ったが、ここで無理っす帰りまっすとは言えなかった。
とりあえずJさんと歩き出す。
ありきたりな待ちました?待ってないですよのターンをやってお仕事お疲れ様ですと伝えた。
Jさんの職場はすぐ近くらしい。本当に長崎の街中の人なんだと思った。
こうやってアプリで会うのはすごく久しぶりらしい。
実際に話すとそんな感じが確かに伝わってきた。
僕の会うのに際してアプリでつながっているけれど実際にあったことはない大分の友達と話したらしくなんかいろいろ考えてきてくれたらしい。
その人から長崎の街をそんなことを言われたのかどうやらJさんは僕に観光案内する気まんまんらしい空気も感じ取った。
大きな商店街である浜町をJさんと歩く。どうやらここが長崎の中心街らしい。
鹿児島の天文館的なところなのだろう。週末歩いている人は多かった。
歩きながらここのお店は地元で人気でとかここのお店はおいしいよとか地元ガイドのように教えてくれた。
昼は食べたとはいえその中のどこかでまた食べても全然よかった。
しかし、Jさんがちょうどいい場所があると言ってせっかく連れて行ってくれるようなのでそれに甘えることにした。
大きなアーケードを抜けて歩き続ける。結構暑い。
だいたいもう朝から散々歩いてきているので旅でテンションは上がっているとはいえ疲れもあった。
でも、人の好意を無にするような行動は僕は嫌いなのでそれだけはしたくなかった。
それにしてもこのクマの上着はどこで買ったのだろうとJさんと話しながらもそればっかり見てしまった。
Jさんはアプリの写真と変わらず眉がしっかりしていて顔は悪くないものの歩き方は完全におっさんのそれでう~んとはなった。
歩いている途中にも歴史的な何かの碑が目に付いたが、そこまで歴史には興味ないよとは伝えた。
徐々に道に傾斜がついていく。

Jさんと長崎穴場スポット巡り

坂を上っていくと中華風の立派な門が見えた。
Jさんが連れてきたかったのはここらしい。
大きな中華風のお寺、崇福寺。
あ~すごいですね~。
ここは日陰も多いからちょうどいいと思って。
Jさんなかなか考えてるじゃないか。変な服着てるのに。
長崎にこういうお寺があること自体知らなかった。
やはり教会のイメージが強いので思いもよらなかったというのが正しい。
中には立派な国宝の門もあった。
中国のお寺をそのまま移築したようなとにかくすべてが立派。
ずっと見ていると妙に昔の香港映画を思い出した。
外国人が数人いるだけで中は涼しいし妙に落ち着く空気でいい場所だと思った。
崇福寺を後にする。
階段を下りてくると坂の上にあるあのお店がさだまさしのお姉さんがやっているお店だよとJさんが教えてくれた。
正直知らないお店よりさだまさし系の店のほうが気にはなったが、行く様子ではなかったのでへ~すごい~とそのまま流した。
歩いていくとまた別のお寺が見えてきた。
ここは寺町通りというらしく本当にお寺がいくつも立ち並んでいた。
一体いくつ並んでいるのと驚くぐらいお寺が続く。これにはちょっと感動した。
その中のひとつにJさんが寄ろうと言う。
ここは無料で入れるからと言って門の前まで行ったが、有料だった。けれど、Jさんがさっと払ってくれた。
そういうところの感覚は同じなんだと思った。
入ったのはまた中華風の寺だった。
日本のお寺ばかりの並びだと思っていたから意外だった。
でも、また中華風のお寺?とは思った。このお寺も立派だった。
興福寺は先ほどの崇福寺より日当たりがよく建物の朱色が生えるお寺だった。
お参りする本堂の中にも入れたのだが、内側から見てもすごい装飾で見ごたえがあった。
海を渡ってどんな想いで作ったのだろうとまた歴史に思いをはせてしまった。
中は撮影不可だったと思うが、見る価値はあると思った。
他にも風神雷神?が中にいる建物や大きな鐘が下がっている建物などずっと見ていられた。
一通り見てJさんと寺町通りに戻る。
歩きながら龍馬の像があるのはこの上だと龍馬通りの入り口で教えてくれた。気にはなったが、結構坂を上るらしくJさんは行くつもりはなかったようだし僕ももういいかなと思った。
寺町通りの終わりまで行き坂を下りていく。
川沿いの道をJさんと話しながら歩いて行った。

たぶん崇福寺
たぶん興福寺

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