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〈雪のひとひら〉


【山根あきらさん企画'雪のひとひら'お題に沿って】

地上に雪が舞った
家の玄関の屋根も車の屋根も
すべて隠れるくらい積もった

子供たちはみなはしゃいでいる
大人は今年もよく降ったもんだと言う

よくいう銀世界
ふわふわの雪につつまれた世界
今年もまたこの季節が訪れた

春、夏、秋、と巡り巡る日本の四季に沿って
色を変えてきた山々や花たちも

雪がふると皆白くなる

夏に咲いた黄色の花も
秋にみた赤い葉っぱも
春にみたピンクの花びらも
みんなしばし休憩、
姿を変えたすがたに積もりゆくのは白い雪

あんなに違う色をしていた
生き物たちが

この季節にだけ皆一緒の色になれるのね

なんだか不思議だね

まるで眠る人々みたいだね

私の心にもひとひらの雪が舞った

春に始まって走り抜けた夏、哀愁を感じはじめた秋に、ひとつ終わりを告げたよう。


お疲れさま。

1年よく頑張ったね。

冷たい私の下でまたまっさらになって、
あなたの心を温めておくんだね。

そう言ってひとひらの雪は、

いつか溶けていく春に向けてそっと優しくゆっくりと微笑んだ。


山根あきら様の
青ブラ文学部に
参加させて頂きました。 
宜しくお願いします。



#詩 #冬のひとこま#雪のひとひら#青ブラ文学部#山根あきらさん#雪の白さ

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