1/10 雨
今日は休みを利用して、放置していた自動車運転の本免許試験を受けてきた。先に結果を報告しておく、不合格だった。
教習所で受ける本免許試験ではなく、飛び込みの一発試験だ。
やたら田舎にある試験場に電車に揺られてそこから30分ほど歩き、12:30に受付を済ませた。それから、それぞれの試験の軽い説明を待合室で受ける。
私は最初、同乗者として後ろの後部座席に乗り、同じように受験している人の運転を後ろで見ていた。縦列駐車に苦戦し、一回入れ直していたが、後ろで見る限り、試験の運転としては完璧だと思った。
この飛び込み一発、世間では無理ゲーなどと言われていたし、合格率は5%などとされていた。私たちの試験官は思ったより優しい感じだったから「いけるのでは?」と思ったが、この完璧と思われた受験生ですら、細かく指摘されていて、もしかすると不合格になったのかもしれない。
私の出番が回ってきた。教官が横に乗っているので絶対緊張して頭が真っ白になるだろうなと思ったが、免許を持っていた頃は結構車にのっていたし、正月の親戚の集まりにも私が運転していったから比較的落ち着いていたように思える。また、一応事前に有料のnoteを買って攻略法とかコースみたいなのを頭に入れていた。ただ、車の機能様式が古いのだけが気になっていた。
個人的には思ったより上手くいった。だが、最後の最後、場外から場内に入る手前の交差点で試験官に止められた。
「残念ですが、ここで試験を終了させていただきます。」
「ありえねー。」と思った。
どうでもいい残りのルートをしっかり法令を守って運転する。虚しすぎる。
試験終了後に試験官からワンポイントアドバイスをもらえる。
どうやら左寄せの仕方が甘かったようだ。
運転免許試験は規定されたルールのミスを一度は見逃してもらえるが、複数回行うと即アウトになる。しかもこの左寄せ、以前に免許を取ってから、教習所仕込みのせいで、左寄せしすぎる癖がついてしまい、親から左寄せは少しでいいと言われ、直したものだ。実際、教習所で習うようなあんな極端な左寄せや右左折するときの目視などしている人は見たことがない。どこかの記事で「運転免許試験はフィギアスケートのようなものだ。演じなくはならない。」と書いてあったのを思い出した。
悔しかった。普通の仕事では平日休みを取ることが難しいので水曜休みの仕事を選び、プログラミングの勉強時間を減らして運転練習と今日という日を犠牲にしたのに。
悔しかったが、大人になってもう一度再受験の日程を取ろうと思ったが、休みの日が合わず、仮免許証もあと一ヶ月ほどで有効期限が切れるので諦めた。
申込書や仮運転免許証を免許センターの外でビリビリに破いてやった。ポロポロ道に落としながら。建物の外にいる、献血案内しているおっさんが「落ちてますよー。」とか言っている。聞こえないふりして外のゴミ箱に残りの紙をぶち込む。行き場のない怒りと自らの不甲斐なさを一緒に。中学一年生のときプライドが超高かった時期、数学のテストが90点切って腹が立って教師の目の前でテストをちぎって捨てて、馬鹿みたいに怒られたのを思い出し、何も変わってねえなと思いつつ、まだ自分にもこんな尖った部分が残っていたんだなと何故かポジティブになった。
顔を上げるとベンチに座っている女の子が笑っていた。
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