先輩だけど新人さん
フェンシングをしています。
年末になり、夏にオリンピックがあったのも随分前に感じますが、オリンピックの影響で今もクラブへの加入の問い合わせがポツポツあります。
クラブ員の年齢は小学2年生が一番小さくて、一番上は76歳、だった。
そう、『だった』過去形。
先日、新たに加入した方は92歳。
車いすを奥さんに押してもらって体育館に入ってきた顔は生き生き、キラキラ。
92歳、貫禄もあります。はじめて体育館に入ってきたときには「前会長ですか?」、小学生達は「フェンシングのえらい人?」と、質問の嵐。
「いや、選手だよ」
「新人さんだから、よろしく頼むね」
もし、選手登録したら日本最高齢のフェンサーでしょう。
日本最北で最小のクラブに最高齢って、レア過ぎてなんかいい。
正直、ご高齢過ぎてフェンシングをすることが健康にいいのかどうかもわからないんですが。
適度な運動は、からだにはいいと思うんですよね。
特に冬は家に篭りがちになるので、外出の機会にもなるかな。
その分、リスクも少しあるなあというのが、正直な気持ちです。
移動には、介助が必要で日常生活を車いすで過ごしている選手達とは動き方などが少し違いますし、車いすから車いすへの乗り換えなどで、転ぶ可能性は年齢的に高くなります。
フェンシングでは、普段しない動きをするので体を痛めることがあるかもしれません。
ただ、92歳になって新しい競技をしたいという気持ちは、尊重したいですよね。
年齢を理由に断るのは、私達が一番避けたいことです。
「好きなことしたいんだ」と、明るく話してくれます。
奥さんも、反対せずに協力されて、
雪の中、タクシーに乗って来ます。
めっちゃやる気満々です。
クラブ創立メンバーの76歳のコーチも、体力をつけるために30分以上走り込みをし、子ども達と試合をしています。
先輩達の姿を間近に見て、年齢は関係ないを体現してるなって思い、フェンシング以外も学ばせてもらっています。