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思い通りにはならないものだ

             No.194               
          2024.02.01

「わずかに結びついている時が尊い」
(山田太一(やまだ・たいち)、脚本家)
人から裏切られれば誰だって傷つく。友人が陰で自分を批判していたと知っただけでも、ひどく気が滅入るものだ。そういう経験が原因で、人間不信に陥ることもある。
 山田は、父親から「人間は結局、自分だけがかわいいのであり、他人は決して本気でお前に興味を持ったりしない」と言われて育ったという。冷たい考えのようだが、父親の真意はその先にあった。それが「きょうの言葉」だ。
 愛情も友情も、続いて当然ではない。壊れることも離れることもある。だからこそ、自分と今かかわる人たちを大切にしなければならないのだ。
(翻訳家・矢口誠『きょうの言葉』山梨日日新聞2023.7.14号)  


お釈迦様は「一切皆苦」と教えられます。
「すべては、みな苦なのだ」と。
しかし、私たちの知る「苦」とはニュアンスが違います。
なぜ苦しいのか、なぜつらいのか・・・
それは「思い通りにならない」からだと。
「思い通りにならない」から「苦」となるのです。

私たちは、家族であれ、友達であれ、自分の思うようにあって欲しいと願います。しかし相手にも意思がありますから、自分の希望や願い、思いがそのまま通ることはありません。

「すべては思い通りにはならない」
この教えを心に留めておくと、周りの人々との関係においても、少し肩の力を抜いて、周りに優しい目を向けられることでしょう。
そして、いただけた縁に感謝できるのだと思います。

お読みいただきありがとうございます

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