育児の悩み 4歳児の癇癪
癇癪の悩み
先日、4歳の男の子を育てているお母様から
「子どもの癇癪で悩んでいる」とのご相談がありました。
出来ない事があったり、思うようにいかない時に癇癪を起し
ひどい時は30分以上泣くそうで、どのように対応してよいかわからないと
お困りの様子でした。
まず私が確認したことは、4歳という年齢から 幼稚園生活の中でも癇癪は起こすのか?
担任から「良い子」「おりこうさん」と言われていないか?
この2点でした。
お母様とzoomにてお話を聞きましたが、以下のような返答がありました。
①の質問に対しては、園生活の中では癇癪や問題行動がない。
②の質問では、よく「良い子」と言われている。
ここから何がわかるのでしょうか。
原因の推察
まず①の質問からわかることは、このお子さんの発達には全く問題がないということです。
次に②の質問ですが、「良い子」と言われる子ほど我慢している子どもが多く、このお子さんもひょっとして園生活の中で良い子でいようとして、我慢しているのでは?と推測しました。
癇癪は突然起こったと思いがちですが、背景には必ず原因があります。
よくある原因としては、「欲求不満」「空腹」「疲労」「眠気」
などがあり、これらを伝えたいのにその方法がわからないと、
癇癪という形で表面化します。
しかし、子どもの成長と共に欲求も複雑化し、
「注目されたい」「要求」「拒否」などの気持ちも加わっていくため、
対処に困っている親も多いのではないでしょうか。
良い子とは
親は、誰もが我が子に良い子に育って欲しいと願っています。
「良い子」とは何か、考えてみましょう。
親や先生の言うことを聞き、行儀の良い子どもは「良い子」と
よく褒められます。
この場合、「聞き分けの良い子」「言う通りに行動する子」という
ことになります。
つまり「良い子」は、大人にとって都合の良い子なのです。
本当にそれが正しいのでしょうか?
良い子の特徴
私の経験上、良い子と言われる子どもは
自分の気持ちを我慢したり、相手に対して気持ちを表現するのが
苦手な子どもが多いと感じます。
外で良い子はその反動で、家庭内でやりたい放題だったり
言うことを聞かないといった行動を取る場合もあります。
またその反動が、後に表面化することもあるのです。
相談者の方のお子さんは、担任から「いつもいい子ですよ」と言われていることから、もしかしたら言葉で気持ちを伝えるのが苦手で、園生活の中で
何かしら我慢をしているのでは?と考えました。
気持ちを伝えたくても上手に伝えられないために
癇癪という形でしか表現できなかったのではないでしょうか。
癇癪への対応
ご相談者様には以下のアドバイスをさせていただきました。
癇癪が始まったら、叱らず静かに子どもの様子を観察する。
きっかけは何だったのか、何が起きたのかを推察する。
決して大きな声を出さず、「~したかったのかな」「~がいやだったのかな」などと、さりげなく声をかけてみる。
それでも癇癪が続いている場合は、その場所を移動して、子どもが落ち着くまでそばで見守る。(その場を離れると、子どもは見捨てられたと感じる)
自分の気持ちが言えたら、「上手に言えたね」「教えてくれてありがとう」と褒める。
子どもの成長
相談者様は私を信じて、アドバイス通りに行動されたところ
癇癪は、すぐに治まったそうです。
しかし毎回この対応で解決できるとは限りません。
「見守る」「気持ちの推察」「気持ちの代弁」を繰り返していくことで、
「ママは自分の気持ちをわかってくれる」
「どんな自分も受け入れてくれる」
と感じ、親に対して信頼感や安心感が強くなっていきます。
そして気持ちを言葉で表現できるようになると、自然に癇癪も減っていくのではないでしょうか。
子どもの方が困っている
癇癪が起きると親はイライラして、つい叱ってしまいますが、
困っているのは親ではなく、実は子どもの方なのです。
言葉で表現するのが苦手なだけで、伝えたくても上手く伝えられないのです。だからこそ丁寧な対応が必要となります。
「こういう時は、○○って言うんだよ」と、場面ごとに子どもに
知らせていきましょう。
「子どもが困っている」と考えれば、少しは親の気持ちも変わるのではないでしょうか。
子どもを変えたいのであれば、まず
「大人が変わる」べきなのです。
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