行き渋り 3歳半
新学期を迎え、慣れてきた頃にそれは突然始まりました。
K君が玄関から園内に入れなくなってしまったのです。
担任が説得し、抱っこして園内に入ることがしばらく続きました。
ある日、玄関ですごい泣き声が聞こえたので見にいくと
なんとK君でした。
私がK君を迎えに行き、「今日は泣くぐらい嫌なんだね」と声をかけ、
お母さんに家庭内での様子を聞いてみました。
すると、「○○先生が怖い」と言っているらしく
お母さんも悩んでいたそうです。
普段の担任の様子や、他の保護者から聞いても怖いイメージは無いと
私たちを信頼してくださっていたので大変嬉しく思いましたが、
逆になぜ怖いというのが不思議で、お母さんも悩んでいたそうです。
私が「抱っこして行く?」と声をかけ両手を広げると、
胸の中に飛び込んできてくれたので、
お母さんには「K君と話をさせてください」とお願いをして
その日は帰っていただきました。
そして室内ではなく、お友達がいないテラスで2人きりで
話をしてみました。
すると、少しずつ自分の気持ちを話してくれたのですが
まとめると、他のお友達が注意されてるのを見たり聞いたりすることが
嫌だったようです。
私も気付かなかったのですが、K君は超繊細な子どもだったのです。
何となくはそうかもと思ってはいましたが、
毎日元気に遊び、お話もたくさんしてくれていたので
そこまでとは考えていませんでした。
「怖いと感じたんだね」「気づかなくてごめんね」
「怒っているんじゃなくて、○○先生は注意しているんだよ」
「○○先生は、K君のことが大好きなんだよ!」
と伝えると、理解できたのかはわかりませんが頷いてくれました。
その後担任3人で話し合い、指導方針の変更をし
K君の様子を観察していくことを決めました。
その後暴れて泣くことは無くなりましたが、しばらく行き渋りは
続きました。
そして観察していく中で、私があることにに気づいたのです。
それは、お母さんの表情が暗いことでした。
K君が心配で、毎日不安そうに登園していたのです。
自分の子が登園拒否をしているのですから、
当然のことだと思います。
私がお母さんの表情のことをお伝えすると、はっとしたようで
・子どもが泣いてもお母さんは笑顔でいること
・心配してるような言葉はかけないこと
・嫌がっても、車に乗れたことはすごいことなんだと褒めること
・お迎え時には、頑張ったことを褒めること
・園での様子を聞かない事(自分から発信するまで待つ)
以上をお願いしました。
次の日から、お母さんの表情は明るくなり
するとK君の表情まで明るくなったのです!
そして行き渋りも解消されました。
結果から推測すると、お母さんの不安が子どもに移ってしまい
初めは些細なことが、どんどんK君にとっては大きな不安となり
「怖い」という感情になったのではないでしょうか。
このことからもわかるように、お母さんの笑顔は子どもにとって
大変重要なのです。
最後に、私が以前研修時に心に響いた言葉を記しておきます。
この言葉は、私にも当てはまり
自分の育児を反省する言葉となりました。
心配は呪いと同じ
子育て中のお母さんたちに届きますように。
そして笑顔でいられることを願っています。
そ
子どもには、「怒っているのではなく注意してるんだよ」
「怖く感じたんだね、ごめんね」「○○ちゃんの事大好きなんだよ」
と伝えました。
そして担任で指導方針を話し合い、良く観察してその日の様子を
お母さんにお伝えすることにしました。
毎日その子どもを観察していくとあることに気づきました!
お母さんの表情が暗く、心配そうにしていたのです。
親としては当然ですよね。毎日泣いていたのですから。
そこでお母さんには、
「心配だとは思いますが、登園時には笑顔で送り出してください」
とお願しました。
そして、
「悩んでいたことを話してくださりありがとうございます」と
お話させてもらいまいた。
するとお母さんは、先生に話してよいのか悩んでいたらしく
逆に話す機会をもらい感謝の言葉を言われました。
次の日からお母さんは笑顔で送り出してくださり、
子どもの行き渋りも無くなりました!
子どもにはやっぱりお母さんの笑顔が必要なのです。
この件は、お母さんが協力していただいて解決できた事例でした。