
直木賞に喧嘩を売った、記者魂を持つ男(横山秀夫編)
小説紹介第23弾!
「64」 横山秀夫
2012年発売
本日紹介するのは出す作品総て外れのないと言っても過言ではない横山さん。
元地方新聞社の記者という肩書なので、ジャーナリスト魂バリバリの作家さんです。
(半落ち)という作品で直木賞の最終候補に残った際、審査員の意見が納得いかず、直木賞自体から決別するという宣言をした辺りも、その一片がうなづけます。
どれも名作なんだけど、やはり一冊あげろと言われたら今作になるんだろうと思います。
昭和から平成に代わる一瞬だけ存在した(昭和64年)という短い日々に起こった幼児誘拐事件を描いた作品。
そこには、事件の真相だけでなく、警察の組織の問題、報道の在り方、などなど。
様々な問題が複雑に絡み合っていきます。
よくぞこれだけ複雑な展開を纏めあげた歴史的な傑作だと思います。
読まなければならない一冊レベルだと勝手に思ってます。
それでは横山秀夫氏のマイベストスリーを紹介します。
第三位 クライマーズ・ハイ 2003年 1985年実際に起こった日航ジャンボ機墜落事故をベースにした作品。作者は丁度地元の記者でリアルタイムで現場にいた経験が生かされた、リアル感バリバリの作品です。
第二位 震度〇 2005年 1995年阪神・淡路大震災が発生した同日、某県警察署では警務課長である人物の失踪事件が起きる。県警最高幹部6人で捜索を協議する中、警務課内だけで事件を解決しようと動き出すのですが、失踪に4年前の県議選や逃亡中の殺人犯と関係がありそうなことなどが分かってくる物語。
第一位 64 2012年 この三冊以外どれを読んでも名作。しかし2020年(ノースフライト)以来一冊も書いていない(一部では体調不良と言われてますが)。もっと沢山作品を読んでみたい作家さの一人です。今時こういう社会派の作家さんも中々居ないので。