私に女心の複雑さを教えてくれた姉御
知らず知らずの内に影響を受けてた音楽紹介第二段。
本日も有名過ぎて紹介を戸惑うレベルの存在。
ユーミンこと荒井由実です。
松任谷正隆さんと結婚してもう長い事松任谷由美として大活躍してますが、私が影響を受けたのは荒井時代の由美様。
荒井由実時代のアルバムは4枚しかなく、こちらも幸運な事に9歳上の姉が全部持っていたので、小学生時代から自然に日々耳に入ってました。
当時の印象は(陰)。
松任谷由美は完全に(陽)のイメージですが、荒井は(陰)。
まだ子供だった私にはその暗さが今一つ好きになれなかったけど、(中央フリーウェイ)や(やさしさに包まれたなら)や(卒業写真)の有名曲は、口ずさめるほど嵌ってた気がします。
中学に入る頃少し感じ方が変わってきて、好きじゃなかった(陰)の曲の歌詞に物凄く惹かれる様になったんです。
そしてそれらの歌詞から浮かび上がる女性の複雑な感情の動きに気づき驚いたんです。
例えばファーストに入っている(曇り空)という歌の歌詞に、(約束だけは気にしてたけど 急に破ってみたくなったの 昨日は曇り空 きっとそのせいかしら 昨日は曇り空 外に出たくなかったの)というのがある。
約束を曇り空だからという理由だけで急に破るという行為。
男には考えられないですよね?
四枚目の(14番目の月)に入っている(さみしさのゆくえ)という曲の歌詞。
海外に赴任している彼氏からプロポーズめいた事を言われるのですが、(他人の寂しさなんて救えない)と言って断り、元彼氏の乗る飛行機を見送るのですが、その後に(こんな私でも良いと言ってくれた一言を 今でも大事にしている私を笑わないで)と後悔めいた言葉が続く。
難しい。。。
マセ餓鬼だった中学生の私にも難解な女心をユーミンは教えてくれました。
あれから40年以上経ってますが、未だに理解できてないですけどね(笑)
先日作家・山内マリコが書いた、荒井時代のユーミンの自叙伝的作品(すべてのことはメッセージ)という作品を読みました。
もうあの頃の記憶が怒涛の様に溢れ出し、懐かしいだけでなく、もう長い事触れられた事のない部分を刺激された様な感覚に陥りました。
やはり知らず知らずの内に荒井由実は私の血肉になっていたみたいです。
皆さんには未だに理解できてない(曇り空)を。