才人たちは二匹目のどじょうを作り出せる
55歳の親父が人生で100回以上聞いた100枚のアルバム紹介第89弾!
「A Song For You」 ケニー・ランキン
2002年発売
残念ながらこのアルバムが遺作となり2009年に亡くなってしまいました。
それを予感したわけではないでしょうが、最後の作品として素晴らしい名盤だと思います。
ケニ―の名を初めて知ったのは名曲(Haven’tWe Met)。
ジャズとボサノバの良いところを融合させた様なメロウな楽曲に一発で嵌りました。
一応ジャンルとしてはAORとかソフトロックになると思います。
でもアルバム全部聞くという感じまでは至らず、二枚ほど聞いただけでした。
今作は二人の才人の名前があったので、久方ぶりに買ったケニー作品でした。
その名はプロデューサー(トミー・リュピューマ)と、エンジニア(アル・シュミット)。
もう何の説明も要らない名盤を数知れず作り上げて来た才人二人です。
個々の仕事は今回はスルーするとして、この二人のコンビの名盤と言うと、マイケル・フランクスの歴史的名盤(Art of Tea)と(スリーピング・ジブシー)を想い出します。
その作品と同様、今作もJAZZとボサノバの融合がテーマ。
メンバーも凄いです、
デヴィッド・スピノザ(G) クリスチャン・マックブライト(B)ロイ・ハーグローブ(Tp)などの、一流ジャズメンたち。
選曲もスタンダードメインに、ガーシュインやビートルズなどの選曲。
無駄を総て除いたシンプルな演奏に、ケニーの優しく甘い歌声が寄り添う感じです。
これは前述したマイケル・フランクスの名盤と肩を並べる傑作です。
才人達が集まれば、二匹目のドジョウは作り出せるんです。
仄かな明かりの部屋で、ウィスキーを傾けながら聞けば、もう夢心地間違いないです。
皆様にはオープニングのこの一曲を。