冬に自転車に乗ると前に進まない
冬に自転車に乗ると前に進まない
Cyclistの解説
健康のため、節約のため、自転車で通勤や通学をしている人もおおいはず
そんな時、夏に比べて冬のほうが自転車の進みが遅いと感じたことがある人も多いだろう
気のせいなのだろうか?
冬のほうが着込むので、体の動かしにくさが影響を与えているのだろうか?
いいや、そんなことはない
実は、冬に自転車の進みが遅くなる立派な理由がちゃんとある
まず、間がないといけないのが、乗っている人のことだ
気温の低い冬だと、筋肉が収縮する
そのため、力が出ないのだろうか?
答えは、NOだ
気温が低い日に運動すると、体温を外に逃がさない働きが起こり、筋肉を冷やすことが難しくなる
そのため、疲れやすくなる
また、冷たい空気は酸素の吸収効率が悪い
しかし、人間の体の適応能力は高い
すぐに外の寒さに慣れるので、全体を考えれば関係ない
影響があるとするなら、極々短い時間しか、自転車に乗らない場合だろう
次に考えるのは、タイヤのゴムだ
ゴムは、地面と接しているので抵抗を受ける
ゴムの柔軟性が抵抗の大小を決める
デコボコな地面にフィットするために、柔らかいほうが好ましい
(固いものを変形させるのと、柔らかいものを変形させるの、どっちが簡単かという話だ)
ゴムは温度が高くなるほど柔らかさが変わる
気温が8℃変わると、転がり抵抗が5%変わる
自転車が受ける抵抗のうち、転がり抵抗は全体の10%~20%である
なので、ゴムの柔軟性が与える影響は、1%にも満たない
一般の自転車乗りは気にしなくていい誤差である
ちなみに、F-1はこのわずかな誤差でも、試合に影響が出るので、レース前にタイヤを暖めている
続いて考えるのは、空気抵抗だ
空気抵抗は、自転車とサイクリストが受ける抵抗のうち70%~90%にも及ぶ
無視できるものではない
空気抵抗は高校物理を履修しているなら、計算で求めることができる
具体的には『FD = 1/2p × CD × A × VA2』
空気抵抗=空気密度の2分の1×抗力係数×前面投影面積×速度
気温が違い、同じ人、同じ自転車、同じ速度の場合で比べると、夏と冬の空気密度の違いが求められる
途中式を省いて計算すると、冬は夏に比べて空気密度が5%ほど高くなる
サイクリストが受ける空気抵抗は全体の70%以上である、これに常に5%の重石が着くことになる
当然、自転車の進みは遅くなる
体感的には、時速1km~2kmの違いになるそうだ
冬に自転車に乗る人は注意したい
空気抵抗が少ない自転車やウェアを選ばないと冬のサイクリングが地獄になる
ただでさえ寒くて体温を上げるためにエネルギーを消費するのに、余計に疲れてしまう
冬の自転車は効率が悪い……?
それとも、脂肪が燃えやすい分、ダイエットに最適なのだろうか?
#研究
#論文
#自転車
#冬
#ゴム
#空気抵抗
#空気密度
#速度
#抗力係数
#前面投影面積
#気温
#柔軟性
#体感
#サイクリスト
参考文献
Why do we ride slower in the cold?
http://www.cyclist.co.uk/in-depth/1153/why-do-we-ride-slower-in-the-cold
よろしければサポートをお願いします。 これからも良質な記事を投稿できるように頑張ります。