
オランウータンは傷口に薬草を塗って治療する
オランウータンは傷口に薬草を塗って治療する
怪我をした時、何をしますか?
多くの人は傷口を洗い、薬を塗ったり、絆創膏を貼ったりするでしょう。
しかし、昔は絆創膏や傷薬がなく、薬草を使って傷を治療していました。ヨモギやアロエなど、身近な植物を利用していました。
この薬草による治療法、どうやら人間の専売特許ではないようです。
動物の中にも、薬草を使って怪我をケアすることがあるのです。
・オランウータンの傷治療を発見した研究
インドネシアのルセル国立公園のスアック・バリンビン研究地域で行われた研究です。
研究者たちはオランウータンのオスに「ラクス」と名付けて、観察していました。
ラクスは自分が怪我をしていることに気づきました。すると、薬草を探しに行きました。
その薬草は「アカル・クニン」と呼ばれるもので、抗菌や抗炎症作用があります。伝統的に赤痢やマラリアの治療に使われているものです。
ラクスはアカル・クニンの茎と葉を口に含み、噛み砕いた汁を傷口に塗りつけました。
その作業を約7分間、何度も繰り返しました。
その際、傷口以外には塗ることはありませんでした。
この行動から、ラクスはアカル・クニンが傷に効果的であると理解していたと考えられます。
・動物の知恵が教えてくれること
これまで、動物が薬草を食べて健康を保つ例は知られていましたが、傷口に塗るという行動はありませんでした。
ラクスの行動は、動物たちが自然界で得た知識をどれだけ有効に活用しているかを示しています。
私たち人間も、自然から学び、そこから多くの薬を作り出してきました。
オランウータンの行動は、人間と動物がどれだけ深く自然と結びついているかを再認識させてくれます。
・おわりに
自然界には、まだまだ解明されていない驚きがたくさん隠れています。オランウータンのラクスが見せてくれたように、動物たちは私たちが考える以上に賢く、自然の中で生きるための方法を知っています。
次に森や公園を訪れるときは、そんな動物たちの行動にも注目してみてください。きっと新たな発見があるはずです!
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参考文献
Active self-treatment of a facial wound with a biologically active plant by a male Sumatran orangutan
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