鳥が建物に衝突する問題
鳥が建物に衝突する問題
◆ ガラスにぶつかった経験、ありませんか?
透明なガラスに気づかず、そのままぶつかったことがある人は少なくないでしょう。
人間なら「痛い」「恥ずかしい」で済む話ですが、鳥にとっては命に関わる大問題です。
◆ 鳥にとってのガラスの脅威
勢いよく空を飛ぶ鳥がビルの窓ガラスに衝突すると、その衝撃は致命的なことがあります。
では、実際にどれほどの鳥が建物に衝突し、命を落としているのでしょうか?
◆ 実際の衝突数とその影響
アメリカのフォーダム大学は、建物への鳥の衝突事例を3159件分析しました。
その結果、命を取り留めたのは「40%」でした。
残りの約60%は亡くなっています。
研究者は、この比率を基に年間で最大10億9200万羽の鳥が建物に衝突して死亡している可能性があると推定しました。
◆ 日本でも同様の問題が?
このデータはアメリカでの研究に基づいていますが、日本でも鳥が建物に衝突して命を落としているのは同じでしょう。
日本の都市部にも高層ビルのガラス建物が多いです。
鳥の命は危機にさらされています。
◆ 鳥の命を守るために
鳥にとってガラス建物は見えにくく、特に反射ガラスや透明なガラスは大きな危険を伴います。
このような人間にとって便利な建材が、鳥の命を脅かしているのです。鳥の衝突を防ぐためには、光を反射しにくいガラスを導入するなどの対策が求められます。
◆ 季節ごとの衝突傾向
研究によると、鳥の衝突は季節によっても変動し、冬が最も少なく417件、春が579件、夏が626件、秋が最も多く1063件でした。
秋は渡り鳥が多く飛来する季節のため、事故が多くなるのでしょう。
◆ 終わりに
鳥の命を守るために、我々ができることはまだたくさんあります。ガラス建物の設計に配慮し、鳥にとって安全な環境を整えることが急務です。これからの街づくりには、人間と自然が共生できる未来を見据えた取り組みが必要です。
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参考文献
Rehabilitation outcomes of bird-building collision victims in the Northeastern United States
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0306362