統合のポイント 【人生工学 第Ⅲ部:実践の章 第12章②】
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では、早速
憑依を行うタイミング
憑依の達人は、「いまこの瞬間」に相手と自分をある程度統合し、相手の視点も持つことができているはずです。しかしいきなり「いまこの瞬間」に「完全に」憑依することは難しいかもしれません。そういう時は、まずは次のような時に試してみてください。
・すごく嫌なことがあった日の夜寝る前
・同じような悩みで、数日間以上悩んでしまっている時
・昔の嫌なことなど、何度も同じことをフラッシュバックする(思い出してしまう)時
一言で言えば「大きなマイナスに出会った時」になります。大きなマイナスは、忘れようとしても、結局無意識のうちにあなたの脳に再登場します。いずれは薄れてきて考えにくくなるかもしれませんが、結局何年も”無意識”に潜み続け、あなたの行動を支配します。であれば早いうちに憑依を行うことで統合し、人生を次のステップに進めるといいでしょう。
あなたも必ずニュートラルを歩める
憑依の素晴らしさに気づいていけば、もはやタイミングは問いません。雨の日も風邪の日も、何気なく過ごす日常の中でも、憑依を実践するといいでしょう。実を言えばそれこそ、世界の偉大な指導者が提案していることそのものではないかと思います。仏教の瞑想は、限りない過去や未来への憑依の旅でしょう。キリスト教の「汝の隣人を愛せ」という教えは、憑依・インテグラルの実践ではないでしょうか。
統合を進めて行った先では、きっと色々なものをニュートラルにみることができるようになるはずです。あらゆる執着が無くなると同時に、執着を持つことも素晴らしいと感じることでしょう。統合が進んだ先でも、毎日することはあまり変わらないかもしれません。頑張っても頑張らなくても本当はいいのです。大きなことをしてもしなくても良いのです。しかしきっと統合の果てにたどりついた時、あなたの世界は見違えるほど輝いて見えるのではないでしょうか。
”いやぁ、私にはそんな事は無理だ、大変そうだ”と思うかもしれません。でも安心してください。あなたはある時すでに、究極に近いニュートラルを達成しています。それは…「赤ちゃんの時」です。
赤ちゃんははじめ、好きなものと嫌いなものの判断はつきません。食べ物と食べ物でないものの判断もできなければ、好きな人と嫌いな人の判断もできません。本当にはじめは自分と自分以外の違いもわかりません。誰かをジッとみているうちに、何かを口に含んでいるうちに「なんか違うな」と気づきはじめて、豪快に泣きます。はじめはニュートラルだけれど、体験していくうちに「違うな」というマイナスを知っていくのです。
そしてさらに赤ちゃんであれば、人生が劇的に進んでいきます。赤ちゃんはただありのままに、お腹が減れば泣き、食べてみたいものがあれば口に入れます。そしてやりたいことがあれば試してみて、達成できなければとにかく泣くのです。泣いているうちに周りの大人が「どうしたの?」と寄り添い、赤ちゃんの望みを探って、叶えてくれます。叶えわなかったとしてもあかちゃんを癒し、満たしてくれます。
赤ちゃん時代のあなたは、ほぼ何もできないのに、泣いているだけで周りの人が自然とあなたに協力し、あなたの望みはほとんど叶っていたのです。そして立つことを覚え、言葉を覚え、色々な考え方を覚え、どんな大人よりも早い速度で成長していくのです。お魚の赤ちゃんの多くは、生まれてすぐに大人と同じように一人で泳ぐことができ、自分で餌がわかります。いわば赤ちゃんは、もしかしたらお魚より”おばか”な状態から、”言葉を使う”や”直立二足歩行を覚える”という霊長類でもトップクラスに難しいレベルまで、生命数億年分の進化と同じような成長を、わずか1年近くで達成するのです。
何よりあなた自身が元々ニュートラルを達成しているのです。あなたは元々愛に囲まれ、とことん無謀な状態からどんな困難も乗り越えてきた存在なのです。
大人になり、できることも知識も増えたあなたが、再びニュートラルな視点へ”再統合”するならば、もっと大きな望みを叶えることも、もっと偉大な成長をすることも可能でしょう。そして、きっと輝かしい世界が待っていることでしょう。大丈夫、あなたならできます。できていたのですから。
いよいよ、ラストです。