断熱・気密性能が高ければ電気代が安くなるって期待しすぎてない!?
私は断熱・気密性能の最強クラス(断熱等級7)のハウスメーカーで家を建てるのですが、最近ちょっと反省したことがあります。それは、
電気代が安くなると思い過ぎていた!
・・・確かに安くなるんですが、勝手な思い込みで、他のメーカーの半額くらいになると思ってました(浅はか)!
高断熱高気密になればエアコンの効率は上がりますが、そもそも家庭の1年間の電気使用量におけるエアコンの割合は7%~25%くらいだそうです。例えば東京都のホームページでは、照明が1位18.4%、2位は冷蔵庫17.5%、3位にようやくエアコン12.8%、4位がテレビ11.3%となってます(給湯はガスの場合)。
オール電化や省エネ家電の導入度合によって割合は変わると思いますが、東京などの温暖な地域であれば、エアコンを使う季節や時間帯は限定的なので、断熱・気密をいくら高くしても電気代への影響はせいぜい数割だと思います。
特に新築の場合、最近は大手メーカーや優良工務店は断熱等級5(ZEH基準)が当たり前で、さらにツーバイシックスなどは断熱等級6になってきているので、昔より断熱性能の高い商品が普及しています。間欠空調の断熱等級5と全館空調の断熱等級7であれば、そこまで大きな電気代の差にはならないでしょう。
高気密高断熱なら電気代が半額以下になると言ってる人がいますが、おそらく昔の家と比べているのだと思います。
実情を知るには、施主さんの電気代公開ブログが役立ちます。
いくつかの例として6地域(関東~九州)に住まれている方の電気代金公開ブログを見てみましょう。
※1 比較の際は電気使用量を見ましょう。電気代は年度や電力会社によって単価が異なるため比較が難しいです。あと、太陽光発電の自家消費を使用量に含めているかも注意しましょう。
※2 エアコンの電力消費は、ほぼ使わない5月を基準にみるとわかりやすいです。
となりのi-smart(35坪、一条工務店、オール電化、Ua値0.25、C値0.59)
年間の電気使用量は7300kWhくらいのようです
低燃費でウェルネストなお家を作ろう@山陰(低燃費住宅←ウェルネストホームの前身、36.6坪2階建て、Ua値0.24、C値0.1)
年間の電力使用量は6600kWhくらいのようです。記事の後半に載ってます
BLF@住友林業で建てる(37坪2階建て、住友林業、Ua値0.41、C値0.92)
12月で880kW。一条やウェルネストホームと比べる1.5倍くらいですが、まぁ1番厳しい時期でそれくらいなので、年間通しだと2,3割程度の差ですかね。
スーさんのいえづくり(31坪平屋、古民家リノベーション、断熱気密不明)
断熱リノベした古民家。まさかの1番電気使用量少ないです。暮らし方によるということですね。
本当のメリットは電気代ではない!!
ということで、電気代だけで考えると断熱等級7の高性能住宅がずば抜けて凄いわけではないと思いますが、断熱・気密のメリットはそれ以外のところにあります!!
家中どこでも常に快適!(LDK以外も常に快適。節約する必要も無い)
老後のヒートショックによる心筋梗塞などの不安が減る
結露しないので構造材が長持ちする。カビない
エアコンの台数が少なく、その分の交換費用が浮く
つまり、コストではなく健康・快適に暮らせることが最大のメリットになります。
私の場合、古くて性能の悪いマンションに住んでいて、夏は酷暑で冬は極寒で家の中ではやる気が沸かず、さらに結露によるカビにも悩まされていたので、"健康な高性能住宅"という言葉にすごく惹かれました。
一方、普通の家で問題なく過ごしていらっしゃる方にこの話をしても響かないことが多いです。なかなか高性能な家ってイメージしづらいですし、そんなことよりカッコいい家にしたいという人が多いと思います。
こればかりは家づくりする人それぞれの経験や価値観によると思いますし、断熱・気密よりもカッコよさを優先したい気持ちは今でも理解できます。
ただ、少しでも"健康で快適な高性能住宅"に興味がある方はぜひ宿泊体験をしてみると良いと思います。真夏や真冬のシーズンに行ってみると、その快適さが実感できると思いますよ!
最後に、断熱・気密性能についてプロの方たちが話されているYouTubeリンクを貼っておきます。
性能とデザインにこだわる方は等級6と7の間くらい(Heat 20 G2.5くらい)が窓も大きく取れてバランス良いと思います。
南向きで日射取得などの条件が良い場合は、パッシブ設計で等級6あれば十分なのかな~とも思います。
私が選んだ等級7の良さは最高の室内環境ということになるようですが、今後住み始めてからまた発信していこうと思います。
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