羊の皮を被ったケルベロス

職場にこんな人はいないだろうか。

周りの誰もが彼(彼女)を慕っている。実際人当たりはいいし、カリスマ性すら感じられる。でも、どこかに「偽善」を感じる。その隠れた偽善に気がついているのは自分だけだろうか、実際外面は良い人なので、「あいつって偽善だよね」なんて口にしたら、逆に不審がられてしまうかもしれない。

これまで何度か、外面は良い人そうに見えるものの、その裏には強烈な嫉妬心、敵意、自尊心を隠し持っており、常に上に立ちたい、マウントを取りたいという人に出会ったことがある(私がそのように感じ取ってしまっただけで、真の善人の可能性は否定できないが)。そのような奴らは、「羊の皮を被った狼」では生緩い、奴らは「羊の皮を被ったケルベロス」である(ケルベロスは筆者なりの狼の上位互換である。ツッコミはひとまず心にしまっていただけると嬉しい)。

そのような奴らと関わってしまった人、あるいは、ターゲットにされた人は、「悪いのは自分なのだろうか」と思い悩み、大抵メンタルを壊してしまう。ケルベロスに精神を食い散らかされてしまう。

ケルベロス対策は非常に難しいが、私の独断と偏見を述べると、①(相手も自分も男性ならば)究極まで肉体を鍛え上げて生物的に圧倒する、②コツコツコツコツと周囲を取り込み、ケルベロスを孤立させるよう努める、③ケルベロス本人にダイレクトにドラマチックに感情を伝える(私は貴方の事が大好きなのに、あなたは何故こんなことをするのか等)、などが思いつく。

①は、「ムカついたら鍛え上げられた肉体を誇示しつつ、グイッと一歩前に出て威圧する」という発想だ。相当頭の悪い発想だが、本能に訴えかけるので、意外と効果的である。試してみたい方は、まずはベンチプレスなどの胸トレから頑張ってほしい(ダウンタウンの松本人志さんをイメージしてもらえると分かるが、上半身が鍛え上げられているとかなり威圧感が増す)。ただ、相手が女性の場合、おそらく、ただドン引きされるだけで終わる可能性が高いし、最悪セクハラ・パワハラ認定されて、逆に追い詰められる危険性があるのでお勧めしない。

②は、若干卑怯に感じるので、あまりお勧めしないが、上手くいけば効果抜群である。しかしながら、ケルベロスは周囲を取り込む天才なので、逆に周囲を取り込まれて返り討ちに合う危険性もある。

③は、シンプルに効果的で一番お勧めしたい。ケルベロスはよくこの手を使うので、逆にこちらから同じ手を使い返すのだ。ケルベロスは周囲に良く思われたい傾向があるので、わかりやすい「悪者」にはなりたがらない。ドラマチックに「好き」の感情を伝えられると、それ以上何も言ってこない可能性は高い。本当は死ぬほど嫌いでも、怖くても、役者になりきって正面から立ち向かおう。

ここまで書いて、自分は何を書いているんだと思ったが、ケルベロスに苦しんでいる方の一助となれば幸いである。

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