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あと10年すると今のSNSは、なくなります

パリオリンピックのニュースを見ていて気になった点があった。SNSの誹謗中傷が酷いらしいのだ。
バスケ男子の日本フランス戦では、女性審判の誤審が問題になった。その女性審判に対しては、SNS上で殺害予告も含む誹謗中傷が酷いらしい。
また柔道女子の阿部選手対しても、敗退直後に号泣したことが非難の的になっているらしい。
オリンピック以外にも、ちょっとしたことがきっかけでSNSで罵詈雑言や殺害予告まで受けて炎上するケースは多い。
このニュースをボーっと聞いていて思ったのが未来のSNSの姿だ。
今回は10年後にも登場すると(私が夢想している)SNSについて語ってみたい。

完全オーダーメードSNS

遅くとも10年後には登場すると予想している未来のSNSは、いわば”完全オーダーメードSNS”(以下「新型SNS」と称す)とでも呼べるものだ。
この新型SNSでは、ユーザーのタイムラインには、ユーザー毎に完全にカスタマイズされたコンテンツが表示される。

Aiがコンテンツを作成

現在のSNSとの相違は、”コンテンツの作り手”だ。今のSNSでは、世界中の人々がコンテンツを作ってSNSに投稿している。
YoutubeならYoutuberだ。”X”やYoutubeなどのプラットフォーマーは、その投稿されたコンテンツを表示しているだけだ。
しかし近未来のSNSでは、Aiがコンテンツ自体を作るようになる。文章に関しては、Aiを使ってかなりの長文を作成することが既に可能だ。
またチャットなどでは、既にユーザーである人間の反応に応じて適切な返事をすることが出来る。
またこのnoteにも使っているが、画像の生成も本格的なものが可能になっている。
近い将来には、テキスト生成に加えて”動画の生成”が本格的に可能になるだろう。そうなれば、玉石混合のユーザーからの投稿を待つ必要はない。
Aiを利用して、その都度アドホックにユーザーの関心に合った動画を生成したほうが、効率が良くなる瞬間が近い将来訪れるだろう。
広告の面からも、現在のユーザーが作成したコンテンツを”並べ替える”方法より”ユーザー毎の独自コンテンツを作成”したほうが、広告効果が大きくなる瞬間が近い将来訪れるだろう。

コンプライアンス対策

Aiによるコンテンツ制作を後押しするもう一つの要因が、「コンプライアンス問題」だ。
既に世界中でSNSの炎上に対して、プラットフォーマーの責任を追及する動きが強くなってきている。
米国では、Instagramが未成年のユーザーに与える心理的影響が、議会などで問題視され始めている。
また日本でも、有名人を勝手に広告に使用したSNS型投資詐欺の問題が大きくなっており、政府や国会も対策に乗り出している。

余り知られていないが、今まではプラットフォーマー自体は、投稿内容に責任を負わないという形で免責特権が与えられてきていた。これが米国発のSNSが世界的に拡大した最大の要因の一つだ。
しかしSNSの社会的影響力が、ここまで拡大すると政府としても無視できなくなってきている。
いずれかの時点で、政府による規制、プラットフォーマーの責任問題に発展するのは避けられないだろう。

未来のSNS生活

それでは10年後にも訪れると(筆者が勝手に)予測される未来のSNSライフを見てみよう。

Aiがコンテンツを作成

未来のSNSで、貴方が毎日見るタイムラインの投稿は、大半がAiが作成したものだ。たまに”人間が作った”コンテンツも混ざっているが、Aiが作成したコンテンツの方が圧倒的にクオリティーが高く、人間が作ったコンテンツは次第に表示されなくなる。

Aiボットが”イイネね”

あなたは以前と同じようにInstagramやXに写真や文書を投稿をし続けるかもしれない。そんなあなたの投稿に対しては、いつも”適度にイイね”やコメントが付く。あなたは自分の投稿に反応があったことに喜び、自己承認欲求を刺激され投稿を続けるだろう。
しかし、あなたの投稿に”イイね”したのは全てAiのボットだ。コメントに関しても、あなたの反応を見ながら、適度に刺激を与えて飽きさせない程度のコメントが表示される。

チャットの相手もAi

チャットの相手もAiだ。毎日のようにやり取りしているのは、実は全てAiのボットになる。テキストだけでなくビデオチャットも可能だ。あなたの理想の相手(必ずしも美男美女とは限らない)が、画面上に表示される。しかし、その人物は実在しない。全てAiが作ったアバターだ。

アップル・ウォッチでバイタル測定

Aiによるコンテンツの表示に際しては、アップル・ウォッチのようなウエアラブル端末により心拍数や発汗量などのバイタルが常に測定されるようになる(既に一部で実施されている)。そして、広告効果を最大限に高め、SNSへの滞在時間を最大化するようにAiがコンテンツを供給し続けることになるだろう。

Youtubeの大量削除

近い将来Aiによるコンテンツ作成が普及すると、今のSNSに投稿されている膨大なアーカイブは不要になる。今のところYouTubeなどでは、過去の投稿を保存しており、自由に検索して見ることが出来る。
しかしユーザー毎に特化したコンテンツをアドホックに生成可能になれば、膨大なデーターを保存しておくインセンティブはなくなる。
もしかしたら将来のある時点で、突然プラットフォーマーが、それまで保存していたアーカイブを全て削除する暴挙に出るかもしれない。
またはアーカイブの保存を”有料化”する可能性も高い。

Youtuber絶滅

もし(私の勝手な)予想通りAiによるコンテンツの自動生成が普及した場合、当然ながら今を時めくYoutuberの大半は絶滅に瀕するだろう。
プラットフォーマーとしては、何も貴重な広告費をユーザーから見向きもされないYoutuberに分配する必要はない。
投稿自体はなくならないかもしれないが、今の逆で”投稿するために広告を見る”ことになるかもしれない。

計画的炎上

Aiが普及しても、実は”炎上”はなくならないかもしれない。
AiSNSの時代には、炎上自体が広告になる。あえて炎上しそうなコンテンツを「広告」として多くのユーザーのタイムラインに表示するのだ。企業は、キャンペーンの一環として「炎上」を金を払ってプラットフォーマーに依頼することになる。

世論の完全操作

炎上の手法を利用すれば、「世論の完全操作」も可能になるかもしれない。ユーザー毎の心理的特性は、コンテンツに対する反応という形で情報が蓄積されている。そして、各ユーザー毎に適切な刺激を与えるコンテンツを表示することで、「世論の効果的な誘導」が可能になるかもしれない。
既に選挙では、フェイクニュースをばらまくなどSNSを利用した合法非合法織り交ぜての選挙戦が行われている。
未来においては、ヒール役や対抗馬の候補者を立てて、あえて炎上をつくりだすことで”大衆の不満のガス抜き”を行うなど、より高度なSNS利用が行われるようになるだろう。

マスコミの消滅

Aiを利用した”世論操作”が普及するに従い、TVや新聞などの従来型メディアは、どうなるだろう。
ニュース自体に対する需要自体は、存在し続けると思われる。ただし求めれれているのは、事件や事故の事実の報道のみだろう。
日本でなら”時事通信”だけで十分だ。NHKに関しては、各地の支局を維持する必要があるかもしれないが、民放は基本的に不要になるだろう。

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