30~40代の方がワンルームマンション投資を始める前に読むべき本
本書はワンルームマンション投資のメリットやデメリットが、著者の長い営業経験をもとに書かれてています。本書による、ワンルームマンションのメリットのポイントを抜粋してみました。
「都心のワンルームマンションは、家賃や価格が一定水準で安定しているた
め、利回りが低いです。なので毎月大きくキャッシュフロー(毎月の家賃収
入が支出を上回る)を出す事は物理的に難しい状況です。」
「確かに利回りは低いです。よってキャッシュフローも大きくは出ません。
しかし家賃の下りづらい都心の好立地のワンルームマンションは価格も
同様に下がりづらいのです。」
「時間の経過とともに確実にローン残高が減っていきます。中古の築浅
ワンルームであれば、最初は多少業者の利益は載せられていますが、長期
で運用すればそのローン残債を市場売却価格が上回ることで、しっかりと
含み益を取りながら運用していくことが可能となるのです。」
また同時に、下記のリスクについても事例をもとに説明がなされています。
①空室リスク
②家賃下落
③価格下落
④金利の上昇
⑤管理費修繕積立金の上昇
⑥設備や現状回復にかかるお金
⑦賃貸管理会社の倒産
⑧担当者の辞職、
⑨天災
⑩信用破損のリスク
本書のワンルームマンション投資のメリットを要約すると、「例えば35年ローンを組んだ場合、35年間、毎月のキャッシュフローは出てこないが、ローンが終われば収益が出るようになります。そして、35年後もマンション価値はそれほど落ませんので、資産形成が可能です。ただし、万が一の空室に備えて、しっかりと自己資金を貯蓄をしておくことが大切です」そういう説明ではないかと思います。
「ローン期間中は利益が出ない」と言うこのワンルームマンション投資ですが、マンションの老朽化とともに、いくつかの問題が発生します。それにたいしてどのように対応するかが重要ですので、私から少し補足させていただきます。
①リフォームの必要性
マンションが築30年を超えるようになると、見た目もかなり老朽化したイメージになり、一旦空室になると、借り手がつき難くなります。
そのまま何もせずに貸し続けようとすると、空室の期間が長くなり、最終的には家賃を下げて入居する人を探す事になるでしょう。しかし、家賃を下げてしまうと、ギリギリでやっているわけですから、お金の持ち出しすら発生しかねません。この為、このようなことにならないために、購入した住戸のリフォームが必ず必要になります。
また、築30年を超えるようになると、漏水の危険性も高くなりますので、 給水管、給湯管、排水管などの配管も全て交換すべきです。トイレ、洗面台、キッチンなどの水回りもすべて交換しないとレトロ過ぎて使えません。
又、新たな賃借人さんを探す為には、同時に内装デザインもよりアップデートしたものにする必要があり、このようなリフォームによって賃料を新築時に近づけることができます。
25平米位の物件であれば、このリフォームにおおよそ300万円はかかると思います。毎月のキャッシュが蓄積されないわけですから、このお金をどこからか捻出するかよく考える必要があります。
②リォーム時の空室期間が長いという問題
リフォームをするといっても、リフォーム業者と言うのはピンからキリまであります。とんでもないリフォーム業者に当たってしまうと大変なことになります。このため最低でも3社は見積もりをとって、それらを比較し、どこに発注すべきか検討しなくてはなりません。リフォームの内容や金額はびっくりするほど違うものです。また、3社のリフォーム見積もりを入手し、業者を決定するまでに3ヶ月はかかると思います。
業者さんに発注をかけても、業者さんの方も既に工事予定が組まれていますので、着手されるまでに2ヶ月ぐらい待たされる事はざらです。特に最近は職人さんの人手不足がかなり深刻で、工事が始まっても、職人さんが間に合わないため、途中で工事がストップする事もあります。この為、ワンルームでも2ヶ月ぐらいはかかると思ったほうが良いと思います。
工事が終了後、不動産屋さんに募集をかけていただくわけですが、募集をしてから実際に決まるまでには、早くて3~4ヶ月はかかるのではないでしょうか。
つまりリフォーム見積もりで3ヶ月、工事に着手するまで2ヶ月、工事で2ヶ月、募集をかけて決まるまでに4ヶ月位かかるわけですから、ほぼ1年間まるまる空室になるわけです。結果的に年間100万円ぐらいの賃料が入らない事になります。この分を何かで補う必要があります。
③共用部の老朽化対策
マンションはもう一つ、共用部分の老朽化と言う問題に直面します。これを解決するため、マンションでは修繕積立金を積み立て、修繕資金としているわけですが、大半のマンションではマンションを売りやすくする為、本来支払うべき金額よりもかなり少ない金額になっています。
1平米200円が平均といわれる修繕積立金ですが、竣工時からの金額が低い場合は1平米300円に上がるのは普通です。戸数の少ないマンションであれば、400円を超えることもあります。25平米では毎月の修繕積立金が1万円前後になってもおかしくありません。
また、最悪の場合は一時金と称して何十万円かを徴収されることもあり得ます。このため、長期修繕計画はどのように計画されているかをきちっとチェックする必要があるでしょう。
ただこういったことがされているマンション。まだ良いかもしれません。管理がきちっとしていないところは放置されたまま劣化が進み、老朽化していくケースもありえます。そういう場合は、自分が保有する住戸だけリフォームしたとしても、借りる側から見ると魅力的に映らず、空室を解消できない可能性があります。どういうメンバーがどのような管理しているか、事前によく情報収集する必要があるでしょう。自分自身が管理組合に入って、修繕に口を出す必要も出てきます。
まとめ
いずれにしても、マンションに限らず、不動産投資と言うのは、最初に投資した金額で全て終わりではなく、その後も繰り返し投資が必要になります。
ワンルームマンションに投資する場合、ローン期間中はキャッシュがほとんど蓄積されませんので、このような購入後の支出を、どのようにするか事前によく考える必要があります。
一般的に不動産投資では、投資を行ったスタート段階から、きちっと賃料と必要経費の差であるキャッシュが生まれ、それが蓄積されて、新な出費がそれで対応できるようにするのが基本でしょう。
これができていないままマンション投資を行いますと、ローンが終了しても、新たな支出に対応する為、又別のローンを組まなければいけなくなり、ローン地獄から抜け出せません。
都内のワンルームマンション投資は確かに資産価値も高く魅力的な投資ですが、それは初期段階から利益が出せる投資家、端的に言えば、ローンを組まずに投資できる投資資金を持った投資家にとっての話です。仮にローンを組んだとしても、かなり短い期間に抑える必要があるのではないでしょうか。
投資資金がないのに、無理なフルローンを組んで、背伸びをした投資する事は、とても危険であることを認識すべきだと思います。何事も無理は禁物です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。今後もあなたのお役に立てる記事を投稿して行きますので、スキ・コメント・フォロー等いただけますと感謝感激です。よろしくお願い致します。
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