「話すの面倒くさい」と相談者は言った。
相談員は言葉を介して仕事をする。
相談者が話をしてくれるから、成り立つ。
その相談者が、「面倒くさい。話したくない」と言ってきた。
「面倒くさい」と他者から面と向かって言われることは、日常でそうそうないだろう。
思春期のお子さんなどは例外だが。
面倒くさいと言われ、もちろん、面食らった。
けれどもその奥にあるものはすぐに察知できた。
実は「面倒くさい」といきなりシャッターを下ろされる直前まで、楽しく話をしていた。
相談者はイキイキとしていた。
この相談者は身近な人と