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多極分散の是非
最近よく見る石丸伸二さんの使った「多極分散」という言葉について注目したい。
多極分散は、東京一極集中の是正ということで主張されることが多いが、今ひとつ、世の中にはその重要性が認知されていないように思う。
メリットに少子高齢化の是正(東京の少子化が著しいことを受けて)、防災上から過密抑止、首都機能分散の必要性など挙げられる。
デメリットとして経済的非効率がよく挙げられる。(都市が分散しているより、コンパクトにまとまっているほうが経済的効率がよい。)
私個人の意見では、
多極分散は経済効率が悪いという以上に、多様性を失って、創造力や競争力を失っていることのほうが、はるかに弊害が大きいと考える。
これは、単なる都市機能の分散のことを言っているのはなく、行政機構の意思決定機関の分散のことを言っている。
日本は中央集権により自沈していると言っても過言ではない。
もっと言うなら、いつ戦争が起きるかわからないような多様性も哲学もない危ない国である。
中央集権、中央統制、挙国一致の戦時体制がそのまま続いているように私の目には映る。
多極分散を調べてみると、以下のような法律があるらしい。
多極分散型国土形成促進法
https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000083
地方分権推進法のように、法律をいくら作ろうが何も変わらないというのが現状なのだろう。
そして、やはり憲法を変えなければならないのかという考えが頭をもたげてくる。
憲法を変えることは非常にリスクが高いと今は思っている。
それは、ノートでも主張していることだが、
教育の中央統制により哲学(批判的思考、目的思考、ゼロベース思考など)がなく、社会的な認知能力も低い社会と見ているためである。
いわゆる民度が低い社会。
自由な言論が保証されない空気、多様性の価値が理解されない社会。
このような社会での改憲は、しないほうがましという考えから、一応、護憲でいいのでは思っている。
中央集権だけをなくすような改憲論など聞いたこともないし‥‥
ただ、このままでは何も変わらないのではというジレンマもある。
子や孫の代にまで、このいつ戦争を起こすかわからないような社会を残したままで死んでいっていいのだろうか。
原因ははっきりしているのに‥‥
参照)
AIシミュレーションが示す持続可能な社会の姿:多極集中型の実現の道筋