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蘇る若葉19 (小説)(コラム)とんぼ
コラム
写真は、昨日、自宅前でみつけた、落葉した桜の木の葉です。
とても綺麗な赤だった事と、葉が大きかったので目にとまりました。
それと同時に、これから4ヶ月半程先
ピンク色の桜の花が満開に咲き乱れる景色が目に浮かびます。
一瞬にして、秋から冬そして春までの時空を飛び超えていました。
日本の美しい四季を身近で感じることが出来るということは
幸せですね。
桜の木は春に花を咲かせるため、これからやってくる冬の間
栄養を蓄えるそうです。
そのため、無数に纏った大きな葉を落とす必要があるのです。
これから数ヶ月の間で次第に紅葉した葉はなくなり
ただじっと春を待つ桜の木の様子を、楽しみに観察していきたいと
思います。
皆さまの身近に、桜の木はございますか。
🌿秋津先生の著書で、難しい漢字や言葉、興味を持った事などは
辞書やネットなどで調べながらゆっくり読んでみて下さい。
きっと新しい気づきがあり、より面白く読み進められると思います。
蘇る若葉 19
原作 秋津 廣行
「 倭人王 」より
そこに、豊浦宮の世継である豊玉之男(とよたまのお)が現れた。
「ただ今、津島(つしま)の北方海域より戻りました
豊玉之男(とよたまのお)にてございます。
高天原(たかまがはら)には、火急のこととて、潮(うしお)を使者に立ててのお願いでありましたが、早速の対応をありがたく感謝申します。
それに、阿津耳之命(あつみみのみこと)には、直々にお越し頂きまして、この上なき喜びであります。
八潮男之神(やしおのかみ)は、ただ今、沖の神島にて、お籠りにて御座います。
われ、父神(ちちかみ)に代わりまして、阿津耳之命(あつみみのみこと)をお迎えし、高天原の御支援を賜りたくお願い申し上げます。
大海原(おおわたのはら)の皆々と共に力を合わせて、秋津洲あきつしまの守りを固める覚悟にてございます。」
阿津耳(あつみみ)は、一歩前に進むと、使者の潮(うしお)に合図した。潮(うしお)も、心得たもので、持ち帰った函から縄目の壺を取り出し、恭(うやうや)しく差し出して、磐座(いわくら)にすえた。
さらに、壺の中から三枚の御印(みしるし)を取り出すと
瑞々(みずみず)しく青々とした一枚の木の葉からは、薄い蒸気が立ち上った。
阿津耳之命(あつみみのみこと)には、そのふわふわとした蒸気がまるで
若木神の御姿のように見えた。
つづく 20