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23/6/27(火)「川崎急騰」

米 3指数の値動き(6/26(月))

3指数揃って続落。6/25に行われたパネル討論会でウィリアムズ総裁が物価安定を優先させることや先週の議長証言での利上げ観測などの経済の側面から直近上昇していたハイテク株を中心に上値が重かった。また、ロシアで週末に発生した民間軍事会社ワグネルの武装蜂起を受け、リスクの高い取引に消極的になった。経済的、地政学にもリスクオフ相場である。

マイクロソフト、セールスフォース、アルファベットやアップルなどのハイテク株や6/28 ストレステストを警戒してか金融セクターも軟調であった。直近のAIブームで株価が上昇していたエヌビディアメタも売られる展開となった。
ゴールドマン・サックスがテスラを、UBSがアルファベットを、それぞれ投資判断を買いから中立に引き下げたことから上昇を見せていた銘柄に売りが舞い込んだ。

SP500業種別

11業種中6業種上昇。不動産、素材、エネルギーなど景気敏感株や公益事業、資本財・サービス、生活必需品といったセクターも上昇していた。
また、ディフェンスに買いが入った。本日の日本株への影響も大きかったファイザーが行っていた糖尿病治療薬開発が中止になったことから売りが優勢になった。
その他、為替相場は財務相からの円安が急速に進む場合、為替介入の可能性を示唆する発言があったため、ドル円は小幅動き。ユーロ円は昨日までは小幅動きであった。本日6/27 11時前からユーロ安方向へ一段と進んだ。

日本相場 振り返り

6/16を境に下落が止まらない米国市場の流れを受け日本市場も6/19から下落を続けている。本日も-0.49%であった。25MAを割り込むことはなかった。押し目となるか25Mを割るかは分からない。週足でも5MAにタッチしていることもあり、32300を割ると海外投資家などは売りを加速させるような位置に見える。後場には欧州勢の買いで日経平均は買い支えられたか。一時400円下げに達していたが終値では-160円にまで回復。
明日の値動きが日足で25MA割るかどうか。今後の日経平均の行方を決めるポイントになり得るのではないかと感じる。
また、日中 日経採用銘柄が広く-1%前後で売られていた。GPIFの売りか?
業種別では、海運が突出して強かった。海運という括りより川崎汽船が+11.49%という時価総額9300億の銘柄が10%を超える上昇を見せるのは珍しい。
川崎汽船が本日暴騰した要因として考えられる事象は大きく3つである。
①配当の再投資
26日に期末配当支払い日であるため、配当の再投資により買いが優勢に?

②個人投資家の動向
週次信用残の情報では6/23週では6/16週と比べ、売り残は+20000株・買い残は-536000株で6/23週の信用倍率は0.90倍であった。
信用残を鑑みると寄りからの急騰に対して買戻しを強いられた個人いるか
また、直近強かった半導体・商社が軟調であるため資金を海運に移したか?

③川崎汽船が6/26に公開した海運市況
昨日6/26に足元のコンテナ荷動きの状況を公開した。アジア 北米間23年4月で大きく回復。同様にアジア 欧州間でも堅調に推移している。また、中国からの石炭輸入量も23年3月に引き続き堅調であったこと。このようなファンダメンタルズ要因も株価高騰に寄与しているのかもしれない。

5/31のMSCIリバランスよりも出来高を付けたことから外国人投資家大量買いが最大の要因であると当初根拠なく思っていたが、Google Trendsでも9107川崎汽船に対するアメリカの検索数は比較的に少なかった。

アジア- 北米
アジア- 欧州
中国からの石炭輸入量
過去7日間 「9107」の検索数比
出来高
値上げ・値下がり


一方、医薬品、精密機器、不動産、商社は大きく値下がりした。
そーせいGのファイザーとの肥満症の治療薬の開発中止によりセクター全体が嫌気された。そーせいGはS安で明日も値が下がる雰囲気。
精密機器もソシオネクスト、アドバンテスト、レーザー、芝浦メカトロニクスなど直近半導体を牽引していた銘柄が米 ハイテク株軟調を受け下落か
不動産は「万章節税防止 算定法見直し」材料で警戒売り。高層階ほど税収が増える見通しである。このニュースを受け、三井不動産、住友不動産、三菱地所、東京建物、野村不動産、東急不動産など不動産大手が軒並み-1.5%。
日経平均空売り比率は42.6と昨日を比べて回復した。

そーせいG 開発中止

06/27 終値
日経平均株価:32538.33 (-0.49%)
TOPIX : 2253.81 (-0.28%)
マザーズ  : 798.66 (-1.56%)

東証プライム市場指数   :1159.80 (-0.29%)
東証スタンダード市場指数 :1104.49 (-0.26%)
東証グロース市場指数   :1015.20 (-1.50%)
スタンダード市場トップ20:1028.76 (-0.38%)
グロース市場コア     :1006.68 (-4.39%)

東証プライム 売買代金:34387億円

個別銘柄に関して

9107 川崎汽船
3700をラインに再度上昇することが出来るか?6/27の上昇の要因が本当に川崎汽船が公開した海運市況であったのか確かめる1日になりそう。続伸できるのであれば8/2の決算付近まで保有か?

8306 三菱UFJ銀行
日銀金融政策修正で唯一恩恵を受ける金融セクター。チャート的にも年初来高値を更新し綺麗な足型。1000をラインに見ていきたい。


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