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日本語教師による方言の会Vol.6
こんにちは うがいまさみです。
昨年の8月から始めた
「日本語教師による方言の会」が
スタートして半年が経ちました。
先月と今月のテーマは
「方言チャートで遊んでみよう」でした。
ちなみに同じテーマを2回続けてやるのは、
参加者の参加しやすい日を選んでもらうため。
奇数月を休日に、偶数月を平日午前中に開催していますので、
各々好きな日時にご参加くださっています。
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今回使った「出身地鑑定チャート」には
「県人度判定」「方言チャート100PLUSⅡEX」「47都道府県版」
の3つのタイプがあります。
いろんな地方出身の方と一緒に体験してみると、
自分の知らない方言を知ることができて
かなり面白いですよ。
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2か月通してやってみて、一番面白かったのは、
12月のグループは、出身地とチャート結果が全員ほぼ合っていたのに
1月のグループは、全然違う結果が出たこと。
昔の記憶があいまいだったり、
今身近にいる人との言葉の影響、
自分の出身地と現在地が違う などなど、
いろんな要因があると思うのですが、
私は、個人が持っている言語(方言)の
バックグラウンドに多様さを感じて驚きました。
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最初は、方言の話をしたいだけのグループでしたが、
いろんな日本語教師の方とお話ししてみると
意外と日本語教育に、方言が必要であることがわかってきました。
例えば「模造紙」。
これは地域によって
「トリノコヨーシ」「タイヨーシ」「ヒロヨーシ」
と、少なくとも3つの呼び方があると知りました。
(この方言チャートやって、多くのメンバーが初めて知りました)
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また仙台では、体操着のことを「ジャス」と言います。
たぶん、仙台の小学生のほとんどは
日本全国「ジャス」と通じると思っているはず…。
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もしも、日本で生活する外国人の親御さんが
「体操着」という単語を知っていても
「ジャス」がわからなければ、
子どもに何を買ったらいいのか、
すぐにはわからないかもしれません。
また、もっと切実な現場としては
介護職に就いている外国人実習生の方が挙げられます。
お年寄りとのコミュニケーションには、
方言の理解は欠かせないものでしょう。
(もちろん、方言も指導してくださる現場も
あると思います)
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コミュニケーションをしやすくなりますよね。
地域によって違う日本語を知ると
「いつか、日本の方言を”情報”として
外国人の方に提供できたらいいな」と
思えてきたのです。
そのためにはまず、私たち日本語教師が方言に親しむこと。
ひと昔前のように、方言を恥ずべきものとしては
いけないと思います。
(もちろん、教科書の日本語も大切であることは
言うまでもありませんが)
そして、
そこから得たものを、日本語学習者さんの
お役に立つことができたらいいな
というのが、このグループの小さな目標です。
もしも、日本語教師の方で、
「方言の会、面白そう!」と思われたのなら、
ぜひコメントをください。
いろんな出身地の方が集まることで、
自分の知らない方言についての情報も集まってきます。
ちなみに、わたし個人ではこんなInstagramを作っています
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https://www.instagram.com/ugaimasami/
2月の方言の会では、
みんなで方言についての読書会を
しようかなと思っています。
詳細はまた追ってご報告しますね。
それでは、また。