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【スペイン旅行記】バルセロナに行くならモンセラット修道院のホテルに泊まるのがおすすめ!


バルセロナでサグラダ・ファミリアを堪能した私が次に向かうのはモンセラット修道院。

モンセラット修道院はカタルーニャ地方の聖地であり、奇岩山の景色でも有名な修道院です。


バルセロナのカタルーニャ広場

カタルーニャ広場の鉄道駅からモンセラットの修道院まではおよそ2時間ほど。


バルセロナから郊外へ向かってしばらくすると、車窓から見える景色が変わり始めます。

豊かな緑と、遠方にはごつごつした岩山が見えます。


いよいよモンセラットに近づいてきました。

この岩山の上にモンセラット修道院があります。


モンセラット山麓でケーブルカーに乗り換え。

ここからはケーブルカーで岩山を一気に上っていきます。


「のこぎりの山」というのがモンセラットの語源だそう。それはこの特徴的な岩山の形から来ているそうです。


駅を出ると綺麗な建物が並んでいました。

岩山の上にこんな世界が広がっているとは想像していませんでした。


そこから少し歩いていくと目的地のモンセラット修道院に到着。奇岩山を背にした修道院です。


こちらが聖堂前の広場。

ワイヤーのようなもので作ったのでしょうか、巨大な頭のオブジェが広場中央に置かれていました。何のために置かれているのかわかりませんが少し不気味です。

では、聖堂内部に入ってみましょう。


とても厳かな空間。

全体的に黒っぽい色彩で彩られた聖堂は、重厚さや威厳を感じさせます。

サグラダ・ファミリアの色鮮やかな幻想的な雰囲気とはまるで正反対です。


そしてここの修道院で最も有名なのが黒のマリア像。


黒のマリア像は聖堂上部の回廊に安置されています。


こちらが黒のマリア像。

参拝者は像のすぐ目の前でお祈りすることができます。


さて、ここまでモンセラット修道院を紹介してきましたが、ずいぶんと人が少ない場所だなとお思いになられた方もおられたのではないでしょうか。

実際はまさにその通りで、これらの写真を撮った朝と夕方の時間帯はたしかに人はほとんどいませんでした。

しかし、昼間の時間帯はこの修道院はものすごい混雑っぷりを見せることになります。

なぜそのようなことになるのかといいますと、ここはバルセロナからの日帰りツアーの定番中の定番で、多くの観光客が日帰りツアーでここを訪れるからなのです。

そして私はその混雑を避けるためにこのモンセラット修道院に隣接したホテルに宿泊することにしたのでした。


この赤っぽい建物がそのホテルで、モンセラット修道院が運営に携わっています。

ここはモンセラット参拝者のためのいわば宿坊のようなホテルです。

ここの宿に泊まる最大のメリットは何と言っても、観光客のいない静かな修道院を体感することができること。

先程までの写真は観光客のいない朝の時間帯や夕方以降の写真です。

観光ツアー客達はだいたい10時ころから16時くらいまでしかここには滞在しません。

彼らは皆日帰りツアーなのでその時間さえ避けてしまえばここモンセラットはものすごく静かな場所へと変貌するのです。


そして宿泊のさらなるメリットがあります。

それは世界でも有数の聖歌隊の歌をゆっくりと堪能することができるのです。


モンセラット修道院では13時と18時45分にミサと聖歌隊の讃美歌を聴くことができます。

モンセラットの聖歌隊は歴史も古く、世界最高峰の聖歌隊として知られています。

そんな素晴らしい聖歌隊の歌声を聴けるとあって、13時からのミサはツアー客や参拝者でとてつもない混雑になります。

満員で入りきれないということもしばしばだそう。

実際、私も昼の時間に様子を見に行ったところ、入りきれなくて無念そうに引き返している人をたくさん見ました。


ミサを聴くための大行列

しかしここに宿泊してしまえばそんな大混雑の苦難ともまったくの無縁。

18時45分からのミサは参拝者は多くとも50人ほど。

ゆったりと落ち着いてミサと聖歌隊の讃美歌に浸ることができます。これは非常にありがたいです。


黒のマリア像の行列

さらに、宿泊してしまえば黒のマリア像へのお参りもほぼ待ち時間なしで可能。

昼間の時間帯は上の写真のように聖堂の外まで大行列が続き、1時間以上待つことも多々あるそう。

それに混んでいる状態では、いざ黒のマリア像の目の前に立ったとしてもゆっくりとお参りできる余裕もありません。

後ろから次から次へとどんどん人がやって来てしまいます。

ですが宿泊して人がいない時にはかなりゆっくりと黒のマリア像と向き合う時間が取れます。

この差は大きいです。


夜のモンセラットも神秘的。暗闇の中からぼんやりと岩山が浮き出てくるかのようです。

異様な迫力。

自分が別世界にいるような感覚になってきます。


そしてモンセラットの朝もこれまた素晴らしい。

爽やかな空気と朝日に照らされた絶景を味わうことができます。

また、7時半からは聖堂で朝のミサもお勤めされます。

私はこのホテルに3日間宿泊し、毎晩、毎朝修道士さんのミサに参加しました。

他宗教のお祈りに参加させて頂くのは非常に興味深い体験でした。

もちろん参拝者としての参加ですが、普段自分がお勤めしているものとはまったく違う祈り方というのは自分自身に対する新たな発見にもなりました。

自分達の当たり前が当たり前ではないということを改めて実感するいい機会になりました。

私がここを訪れたのは2019年です。その時点ですらかなりの混雑でしたので昨今のオーバーツーリズム問題を考えると今はとてつもないことになっているのではないでしょうか。そういう面でもここでの宿泊は非常におすすめです。

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そしてこちらが黒のマリアが見つかった場所に建てられたサンタ・コバという礼拝堂へ向かう道の写真です。先ほど見たモンセラット修道院から少し山を下った場所にあります。徒歩でおよそ40分ほどの距離です。本来はケーブルカーで近くまで行けるそうなのですが私が行ったときは運休中だったため歩いて向かいました。

サンタ・コバは写真の赤い矢印の先にある赤茶色の建物です。

こうして見てみると本当にとんでもない所に立っています。

よくもまあこんな所に建てたものです。ほとんど岩山にへばりついているかのようではありませんか。

これから岩山沿いにぐるっと迂回して正面の岩山へと向かっていきます。

オレンジ色の矢印はその道を指している。よく見てみるとそこが道になっているのがわかると思います。


すでに目の前は絶景。

先程の写真のオレンジの矢印の辺りまでやってきました。


そして道の先にはガウディ作の像がありました。

ガウディはこのモンセラットの山々からもインスピレーションを受けていたそうです。


たしかにそう言われてみればサグラダ・ファミリアもここの奇岩山とも少し似ているような気もしてきました。


ようやくサンタ・コバの礼拝堂に到着。

ぱっと見てみると岩山にめり込んでいるようにも見えます。

洞窟と一体化する形でこの礼拝堂は作られているようです。


この建物自体は1705年に初めて建てられ、その後何度も修復がされたもの。

伝説では、ここにある洞窟で西暦880年に黒のマリアが発見されたとされ、以後この地は信仰深い巡礼者が祈りを捧げる地となっていったそうです。

現在は私のような一般の参拝者が来ることができるような場所になりましたが、かつてここはひっそりと修道士が隠遁してひたすら瞑想に励む修行地のような場所であったそうです。

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そして最後にモンセラットのもうひとつの見どころ、サン・ジョアンの礼拝堂とモンセラットの絶景を眺めるプチトレッキング道を紹介していきます。


ルートとしてはこの看板の3aのルートでこれから進んで行きます。

サンジョアンの礼拝堂へはケーブルカーを降りてから歩いて20分ほどの距離だそうです。


ケーブルカーを降り、目の前の巨大なのこぎり山を眺めながら歩いて行きます。


15分ほど歩いてきました。間もなくサン・ジョアンの礼拝堂に到着です。

贅沢すぎるほどの絶景を楽しみながらの15分はあっという間のものでした。

写真の左側にぽつんと写っている建物がサン・ジョアンの礼拝堂です。


こちらがサン・ジョアンの礼拝堂。

建物自体は意外と新しく、1893年に建てられたものだそう。


そしてせっかくここまで来たので私はサン・ジョアンの礼拝堂から先に進んでみることにしました。


「岩山に沿って」というより岩山にへばりついて進んでいるという感覚。


歩いてきた道を振り返ると、自分がどういう道を通ってきたのかがよくわかります。

岩山のくぼみを利用して無理やり削り取って作ったかのような道。

柵と岩を手で掴みながら恐る恐る進んで行きます。かなりスリリングな道でした。


そこから先に進むと、道らしい道はなくなり、山の中へ入っていきます。

たいして下調べをしてこないでここまで来てしまったのでもはや自分がどこにいてどこに向かっているのかわかりません。

写真ではわかりにくいのですがここは崖のようなものすごい急坂でした。

転ばないように気を付けて先に進みます。

この辺から呑気な散歩というよりちょっとしたトレッキングという様相になり始めました。

息も上がり、汗ばんできました。のんびり散歩気分でここまでやって来てしまった自分を笑うしかありません。


急坂を上りきると少しだけ視界が開けてきました。

ちょうどこの位置からモンセラットの修道院を眺めることができました。

ずいぶんと遠いところまでやって来たことを実感。


いよいよトレッキングらしくなってきました。

目と鼻の先には崖。そしてのこぎり山の絶景。


足元を見てみると、なだらかな弧を描いて崖の方へと斜面が続いていきます。

しかしある一点から斜面は急転直下。底から下は断崖絶壁と化します。


さて、間もなく頂上に到着です。

目の前にどんとそびえ立つ岩山。ものすごい存在感。まるで岩が地面からにょきっと生えてきたかのよう。


ついに頂上へ到着。

おそらくここが「サン・ジョアンの高台」と呼ばれる場所であろうと思われます。


ここはモンセラットの麓の町から地平線まですべてを見渡すことができます。

私は本格的な登山経験もトレッキングもしたことがありません。

今回図らずともこうした山を登ることになってしまったのですがこれは素晴らしい爽快感。

山にはまる人が続出する理由もなんとなくわかるような気がしました。

バルセロナからの日帰り観光で人気のモンセラットですがぜひここのホテルに宿泊してこの聖地を堪能することをおすすめします!

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※今回の記事は2019年に公開した以下の記事を再構成したものになります。それぞれの記事でより詳しくお話ししていますので興味のある方はぜひこちらもご覧ください。




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