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あの「ロンギヌスの槍」が保管されているアルメニアのエチミアジン大聖堂へ
アララト山の後はエレバン近くにあるエチミアジン大聖堂も訪れた。
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。世界最古の大聖堂として知られる世界遺産だ。残念ながら私が訪れた時は工事中で中に入ることはできなかった。
そして私がここに来たかったのはここに、「あるもの」が展示されているからであった。
それが「ロンギヌスの槍」と「ノアの箱舟の木片」だ。
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ロンギヌスの槍はイエスが十字架に掛けられて亡くなった時、兵士ロンギヌスがその死を確かめるためイエスのわき腹を刺したという槍だ。
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ロンギヌスは目が不自由であった。しかしイエスの血が目に入り視力が戻ったことから改心し、後に聖人として扱われるようになった。
そのロンギヌスを題材にした有名な彫刻がサン・ピエトロ大聖堂にある。作者はベルニーニ。ローマバロックの王だ。私もこの彫刻の見事さには息を呑むしかなかった。
さて、そんなロンギヌスの槍がこのアルメニアに存在しているのである。これは不思議である。これが本物なのかどうかはわからない。だが、そうだと信じられて今に伝わっているというのは事実だ。
そしてそれはノアの方舟の木片も同じである。
実際に本物かどうかはわかりようがない。だがそう信じられて大切に守られてきた歴史が現に存在するのだ。そこに人間の営みの意味があるのではないだろうか。この二つの展示は私にとっても非常に興味深いものがあった。
さて、アルメニア滞在もこうして3日を過ぎた。
実はこの日から私は旅の存続の危機に襲われていたのである。
エチミアジンを歩いている時は意識も朦朧としていたくらいだった。
私に何が起こったのか、次の記事ではそのことについてお話ししていきたい。
これは単に体調が悪くなったで済まされる話ではない。私とアルメニアという国についての根本問題がそこに横たわっていたのである。
この記事は以前当ブログで公開した以下の記事を再構成したものになります。
この元記事ではエチミアジンの前に訪れたアララト山についてもお話ししています。
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