そこにつくまで14

 久しぶりに会う女の子がいた、英雄に負けたユウはなじなれるのを覚悟でその子と会食に応じた。
 そして予想外にも英雄がユウとの試合前に対戦した選手との話になっていった、とゆうかそれがその子目的だった
 その子がその選手といい関係になっていて
 なんだか漫然としなかったその選手が少しずつユウに近づいていくる気配を感じた、その選手に少なからず興味があったので、食事の後のその子の部屋で軽く飲み直ししながらこれからの予定を気にしながらユウは耳を傾けることになった
 
 
 ごめんね、他の男性の話なんて
 
 
 いや、あやまらないでよ、恋人同士ってわけでもないし、子供でもないしねお互い、いろいろ付き合いはあるよ、でもさ、、、ボクサーが好きなの?
 
 
 別に、ただ、だらしない人が嫌いなだけなの、身体も精神も、そうするとね、大体あなたたちみたいな人種にあたるのかもね
 
 
 たち?他にもたくさんいそうだなぁ
 でその君と良い感じになってた奴がどうしたの?
 
 
 変わっちゃったのよ、多分、良い方向かどうかはわからないんだけど
 
 
 みんな変わるよ
 
 
 なんだかユウくんみたいになってしまったのよ
 だから今日、ユウくんと話したいってなったの
 
 
 僕とはなんだろうね
 
 
 寂しい人
 
 
 言い切るね
 
 
 ユウくんが私からどう見えてるかそこは置いておいてほしい、今日の主題じゃないの
 なんだかね、その彼の見えてるものがなんとなくだけど理解出来てたつもりだったんだけどね
 ねえ、わかる?理解してたものが遠ざかる淋しさ
 
 
 よく感じるよ
 人殴ってるとね
 言葉じゃなくて
 体でね
 誤魔化せないしね痛みはたくさん教えてくれる
 息遣いとか表情とか視線とか反撃の力加減とか
 おまえ、そうなのか、仕方ないよな、、って
 
 
 それって、諦め?同情?憐れみ?憎しみ?なんなの?
 
 
 そこにつくまではわからないよ
 
 
 そうなのね
 その人は、とても放って置けない人ひとだった
 ユウくんは問題があって困っても困ってるふりでしょ?
 なにか違う世界から私たちの世界にきて困難とか苦しみとかを味わいに来てるナニカ

 
 人だよ。
 
 
 私も殴りはしないけど触れ合いはしたりしたから、体越しになにかが変わったのが感じれたのだけど、もう、変わった後はなにも触れている感覚がなくなってしまったの、鈍くなってしまったの、その、うまく言えないわ、その人の前だと、もう話しても話しても、なにか、自分が酷く軽くなってしまって、声が聴きたいだけの、会話と名ばかり音の出し合いになってしまった気がするの
 
 
 迷子なんだね、降りてくるの待ってたら?もしくは登り切るまで見てやって
 すごく半端な場所でうずくまってるから、捜索隊もお手上げだ


 わからないわ
 降りる?登る?
 
 
 見たい景色を諦めて降りる時の(俺は住処に戻る時だけど)
 足取りは重いんだ
 しかも未練も残るから
 体は元の場所に戻っても心はまださまよったままなんだ
 さまようんだよ、噛み合わなくなった足取りと希望が、簡単に転ばせてくるから、もう立ち上がりたくなくなるんだ。
 
 
 どうしたら、戻ってくるの?
 
 
 ぶん殴って痛みを感じさせる
 そして登り切るか落っこちるかだね
 
 
 どちらにしても痛そうね
 
 
 ところで目の前にも困ってる男がいるんだけど?


 なあに?
 
 
 女の子の部屋にまで来たのはいいけど、一向にそうゆう雰囲気にならなくて
 
 
 ごめんね、そうゆう気分じゃないの
 
 
 おれの心配はだれがしてくれるのだろう?
 
 
 だって彼は違うから
 
 
 そうか、、わかったよ帰るね
 
 
 ありがとう、またね

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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