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司法試験予備試験 2週間でやる口述対策
はじめに
私は、令和5年予備試験において、総合得点121点、順位70位で合格したものです。ほとんどの人が120点を目指す中、121点を取れたのはまずまず成功だと思っています。
私は諸事情から(1番最後に記載)、口述対策をできたのは2週間のみだったので、この記事では2週間という短い時間でどのようにして対策を行なったかを綴らせていただきます。なお、あくまで個人的に良かったと思う、にとどまるので、この記事を鵜呑みにせず、他の合格者の体験も参考にすることをお勧めいたします。
使った教材
・民事について
『完全講義 民事裁判実務の基礎〔第3版〕(上巻)』(以下、「要件事実本」)
『司法試験予備試験 法律実務基礎科目ハンドブック1 民事実務基礎〔第5版〕』
です。(以下、「赤本」)
・刑事について
『基本刑事訴訟法I 手続理解編』(以下、「基本刑訴」)
『基本刑法Ⅱー各論[第4版]』(以下、「基本刑法」)
『司法試験予備試験 法律実務基礎科目ハンドブック2 刑事実務基礎〔第5版〕』
です。(以下、「青本」)
・これを『司法試験・予備試験 逐条テキスト (3)』等の論文までで使っていた一元化教材に書き込み、伊藤塾の対策パック??(過去問を全部送っていただけるやつ)を演習に用いました。
・上記、基本書等はいずれも改訂が進んでいると思われるので適宜変換してお読みください。特に、要件事実本については新しいものが出ているようなのでそちらで構わないかと思います。
民事の対策
まずは、要件事実をインプットすることにしました。どのような構成が聞かれるかわからない(令和4年は留置権が出たらしいし…)ので不安だったのですが、時間がなかったので、上記要件事実本に絞って、要件事実を覚えることとしました。この本に書いてあることは当時ほとんど頭に入れていたと思いますが、特に訴訟物、請求原因、それに対する抗弁の種類、抗弁ごとの抗弁事実、というのは別途、ルーズリーフにまとめ、かつ、『単語帳メーカー』というアプリで暗記しやすいようにしていました。私は原則、手書きでまとめることは嫌なのですが、当日、最後まで持ち込めるものは紙媒体に限られるのでそこを意識していました。
例えば、所有権に基づく〇〇には、このような場合があり、これに想定される抗弁は□□で、それらの抗弁事実それぞれ、××だ、のようなことを空で言えるような状態です(今すぐはそこまで言えませんが、一応ルーズリーフを見て1時間すれば戻せると思います)。
弁護士倫理、職務基本規定は条文まで覚えることをお勧めします。ただし、全部覚えるということは難しいので、私は赤本に出ている事例を中心に適用される事例を意識して覚えました。
別途、民事訴訟法等の知識が聞かれたらどうすればいいのか、と不安になる人もいると思います。時間に余裕があるならこちらも見ればいいと思います。ただし、個人的には、ここまで到達した方々は短答、論文と十分な知識を持っておられるので、(私は民訴について、短答は20点、論文はFだったのですがそんなに困らなかった程度)どちらかというと一元化教材をかるく回すだけにとどめ、口述の演習を重ねて誘導の乗り方を学ぶことに尽力する方がいいかの、と思っております。
刑事の対策
刑事は刑訴の手続きと刑法各論の要件を覚える必要があります。
まず、刑訴については、基本刑訴を読んで流れを頭に入れました。その後は、青本に出てくる重要な手続きについて全て覚えました。条文も含めて。こちらは今はほとんど言えません。逮捕の要件や勾留の要件、準抗告(429条、というのだけ頭に染み付いています笑)等数は絞られるのでここだけは覚えるようにしました。
次に刑法各論ですが、特に財産犯に絞りました。出題傾向を見ると私が受ける日の問題は例年、財産犯が出ていたからです(この感覚で民事も物件的請求権と予想していましたが、保証債務履行請求権だったので焦りました…。お気をつけください)。財産犯については、例えば、窃盗罪は、と聞かれたら、
他人の財物を窃取すること、が要件事実です。窃取とは、他人の占有する財物をその意思に反して自己または第三者の占有に移すことをいう。占有は、物に対する事実上の支配のことで、占有の事実と占有意思の両面から判断される。例えば問題になる占有状態は3パターンあって…、不法領得の意思とは…、2つの要素のうち、問題になるのはこんな事例で、こういう判断をする、みたいなことが全部言えました。これは基本刑法に出てくる論点を要件ごとに整理して片っ端から覚える、というものです(逐条テキストにまとめて当日すぐ確認することができる準備も忘れない)。この作業をここでしたことで司法試験本番でも財産犯は得意でした。
具体的には、ホワイトボードに、
◯窃盗
要件
・
・
→定義
⇨定義と判断要素
◎問題になる場合
・
・
・
主観事情→定義も。
みたいなことを書いて思い出すヒントのみを記載し、全部口頭で埋めていく、という方法です。このホワイトボードを写真で撮って、携帯に写してぶつぶつ言いながら言い切るというのが自分に求めているレベルでした(上の刑訴についてもちょくちょくこのやり方をとって覚えていました)。
口述の演習
・上記である程度インプットが終わりです。感覚的にこれを5日間でやりました(当然、予備知識がありましたが)。ここからが1番大切な演習です。
・私は、前年度合格者にほぼ全年度の問題を出してもらい、演習を進めました。模試も申し込んでいたのですが後述より体調不良で受けられませんでした。
・緊張を高めて行うこと、誘導にどうにか食らいつくことを意識しました。
・私は誘導に乗ること、頭を回すこと、については、運動で体をあっためるように少しアップが必要なことだと思っていました。そこで当日の朝も知り合いに頼んで模擬演習をしていました。
・誘導に逆らわなかったら受かる、と合格者は口を揃えて言います。なのでこの意識を元に法律をかじっている方が知り合いにいるならばその人に手伝ってもらうことをお勧めします。
最後に
ご高覧いただきまして、ありがとうございました。
私は、論文が受かると思っていなかったので、論文式試験後は完全に口述を放置していました。そして、合格発表があった後に焦って初めようと思ったのですが、合格当日にサウナに行ったせいか、2日後くらいから高熱が出て体調を崩しました。それでもなんとかやらなければと焦って本を読んだり、色々動いたり(少し体調が良くなったからと初詣に行きました…)してしまったせいで、残り2週間まで37度以下にならずだるいままでした。なので上記のように色々捨象して勉強する必要がありました。
私はそうこうして、2週間しか勉強ができなかったのですが、なんとか合格できました。今まで勉強が進まなかった人、体調を崩してしまった人色々あると思いますが、諦めずに頑張ってください。応援しています。
当日周辺のことは以前も投稿させていただいたのですが、後日、これをブラッシュアップしたものを再投稿させていただきます。こちらもよければお願いします。〔下記に使った基本書の画像添付〕
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