令和6年 司法試験 民事系
はじめに
令和6年司法試験を受験しました。試験当日や準備などで思ったことを綴らせていただきます。
民法
予想について
私の今年の予想は、白紙委任状云々でした。割と丁寧に準備していたのですが、出なかったので少し悲しかったです。
問題について
問題が始まり、まずは配点割合を確認しました。設問1と設問2の割合が1:1だったにも関わらず、設問数の差があることを注意する必要があると思いました。問題が始まると、①「他人物売買」風、つまり他人物賃貸借系の話と、②相続と無権代理の論点、の2つが噛み合わされている問題っぽいな、となんとなく思いました。しかし、要件事実的に整理しているとその論点がうまく噛み合わず結局中途半端な出来になり、かつ、時間もなくなる、というあまり良くないスタートを切りました。そこからの問題はなんとなくわかるが少しわからない、みたいな問題が続くのですが、わかっている部分だけを書いたとしても設問1だけで答案が3枚を超えそうになります。1:1の割合で書かないといけないこと、私の基本書ける枚数が5枚目ぴったしであること、時間も少なくなること、などの懸念点を抱え、最後まで進めていきました。
最終的に5枚ちょいで、設問別の割合は、3:2で終わってしまいました。
よかった点として、カウントアップ式のタイマーを使っていたこともあり、ラスト数秒まで粘って書くことがあげられます。
商法
予想について
会社法は、例年、重判等の新しい判例から出るとの噂があったので、その辺の判例と、締め出し(特に特別支配株主)、特別利害関係人、新株発行の無効を重点的に見ていました。設問2は締め出し関係の問題だったと思うのでその点はうまくはまったので良かったと思います。
問題について
今年、一番難しく感じたのは商法でした。設問1は聞いたことのない論点ですし、設問2も大きく授業等で取り上げたりはしない論点だと思っているからです。試験が始まり、一旦全体像を把握すると、①監査役が止められるか②利益供与チック③締め出し、の3つを中心として作られている、と考えました。この点、私は、③についてはそこそこ書ける、しかし、①②はほぼ書けない、かつ、他の人も容易にわかる問題ではない、と思ったので設問2である③を厚めに書いて(3枚弱くらい)合格点にのせよう、と考えました。
①を見た時は、「自分は予備試験でたくさん条文があるから監査役が何ができるかはある程度把握しているし、条文の位置もある程度わかるから有利だ」と考えました。わからないい問題であったとしてもアドバンテージになるはず、と信じていました。そして、書き方としては、条文指摘、直接適用不可、なら他の手段は、という流れで丁寧に条文を引用すれば合格ラインに乗るのではないかと考え、そのように書きました。
②を見た時は、利益供与とはほとんど被らないが、利益供与風の事実があるから条文の指摘はどこかで出したい。株主総会を取り消したい。などの感覚のもと、狡そうな事情と狡そうなことをしたが故に不当な結果が出た因果関係を言おう、という流れを構成して、狡そうな事情の一要因として利益供与風の事実がある、という流れで書こうと決めました。
③にとりかかるところ、でまだ1枚半とかしか書いてなかったので、これは3枚くらいになるのではとても不安になり、だらだらと書くことにしました。
出来上がりも怖いです。
民事訴訟法
予想について
民事訴訟法の予想は、補充送達、既判力の例外、重複訴訟の令和2年の判例、でした。予想を丁寧にしたのに全然当たらなかったので悲しかったです。
問題について
民事訴訟法は今年の問題で一番例年通り、練習の成果が出る問題構成だと感じました。①任意的訴訟担当②自白③既判力、の問題が出たと思っています。
①については、判例との比較が要求されたと思っています。例年であれば判例の事実が結構書いてあって、これを引用して事実の差をそれっぽく指摘するだけで合格ラインに乗る、という対策をしていたところ、本年は事実の引用がほぼなく(ここは例年と異なる点)、予測して当てはめる、という外していたら「何を書いているんだコイツは」みたいなクオリティになりました。
②については、どうにかして、自白を認めたくない。しかし、定義に当てはめると絶対当てはまるはず。しょうがない、弁論準備手続の趣旨を貼り付けて「実質的に…」とか言って否定しよう、と考えました。
③もどうにかして、原則を外して遮断をさせないようにしたい、と考えているのですが、2日目の最終問題ということもあり文章がめちゃくちゃになりました。
どうなるかは不安です。