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展示会出展準備を成功させる4つの秘訣

展示会出展を成功に導くためには、事前の準備が必要不可欠です。このシリーズでは、展示会出展を成功させるための組織的なアプローチと実務的に重要なポイントをテーマに、様々な側面を深く掘り下げています。

前回は「自社分析と目標設定」について解説しました。今回は、いよいよ展示会出展準備の具体的な実務に焦点を当て、展示会を成功に導くための起爆剤となる実践的な秘訣をお届けします。

本記事は、展示会出展の実務を担当される方に向けて、展示会準備をスムーズに進め、展示会効果を最大化するための具体的な方法を提供します。この記事を読むことで、展示会準備の全体像を把握し、展示会当日自信をもって迎えられるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

1.全体スケジュールの立て方

展示会成功の土台は、適切なスケジュールにあります。展示会準備は多段階のプロセスであり、各タスクが相互に関連して進んでいきます。そのため、展示会開催日から逆算して、現実的なスケジュールを立てることが非常に重要です。

全体スケジュール作成のステップ

  1. 展示会開催日から逆算と締め切り設定
    まず展示会開催日を起点に、そこから遡って大きな締め切りを設定します。たとえば、「ブースデザイン最終決定日」「展示物発送日」「スタッフ研修完了日」など、主要なマイルストーンを明確にします。

  2. 主要タスクの洗い出しと優先順位付け
    展示会準備に必要なタスクを詳細にリストアップします。ブースデザイン、展示物準備、販促資料の作成、スタッフの手配など、全て洗い出します。そして、各タスクの優先順位を明確にします。締め切りが近いもの、時間のかかるものから優先度をつけて計画を立てます。

  3. 各タスクの担当者と締め切り明確化
    各タスクに担当者を割り当て、締め切りを明確にします。これにより、責任の所在を明確にし、タスクをスムーズに進めることができます。担当者それぞれには、タスクの内容、締め切り、必要なリソースを伝え、理解を得るように努めます。

  4. 定期的な進捗確認と計画見直しの反復
    スケジュールは立てて終わりではありません。展示会準備の過程では、予期せぬ問題や計画の遅延が発生することも多々あります。そのため、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて計画を見直しを行います。週に一度または定例会議で進捗状況を共有し、問題を早期発見と解決に繋げます。

成功のポイント

スケジュール計画で最も重要な点は、余裕を持たせることと、柔軟性を確保することです。予期せぬ事態に備えて、各タスクに少し余裕時間を入れておきましょう。また、展示会準備の過程では、計画変更は避けられないものです。柔軟性を持ち、臨機応変に対応できるよう心がけましょう。

2.展示会出展準備:必要な準備物リスト

展示会準備をスムーズに進めるためには、事前に必要な準備物をリストアップしておくことが不可欠です。「準備物リスト不足」を防ぎ、展示会当日「スムーズな展示会活動」を実現するために、カテゴリー別にリストを作成し、抜け漏れがないように入念に確認しましょう。

カテゴリー別準備物リスト

  1. ブース装飾・備品

    • パネル、好みに合わせた装飾

    • 照明器具

    • カーペット、机、椅子

    • 看板、ポスター、バナー

    • パンフレットスタンド、モニター、音響設備

  2. 展示物

    • 展示製品、製品サンプル

    • パンフレット、カタログ、リーフレット

    • 製品紹介、デモンストレーション資料

    • ポップ、キャプション

  3. 事務用品

    • 受付サインシート、筆記用具

    • 名刺

    • 電卓、テープ、はさみ、ホッチキス

    • PC、タブレット、スマートフォン、充電器

    • 電源タップ、延長コード

    • インターネット環境 (Wi-Fiルーターなど)

  4. 販促品

    • ノベルティグッズ (ボールペン、付箋、エコバッグなど)

    • チラシ、クーポン券

    • アンケート用紙、景品リスト

  5. その他

    • 工具セット (ドライバー、レンチ、ペンチなど)

    • 救急セット

    • 衛生用品、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ

    • ゴミ袋

リスト更新と二重確認の重要性

作成したリストは、展示会準備の過程で必要に応じて更新します。展示会直前には、リストと品目を二重確認し、不足品がないか入念に確認しましょう。特に、展示物や販促品など、展示会の成果に直接つながるものについては、早めに準備を進めて不足のないように対策しましょう。

3.展示会出展準備:予算管理のポイント

展示会出展には多くの費用がかかります。予算管理を疎かにすると、費用対効果が疑問視されたり、予算超過に繋がるリスクもあります。事前にしっかりと予算計画を立て、予算管理を行うことで、費用対効果を最大化し、展示会成功に繋げることができます。

予算項目の洗い出し

  1. 出展料

    • ブース購入費用 (広さ、場所によって費用が異なる)

    • 登録料 (展示会主催者に支払う費用)

  2. 装飾費

    • ブースデザイン費用、設計費用

    • ブース設営費用、施工費用

    • 装飾品購入費用、レンタル費用

  3. 輸送費

    • 展示物輸送費 (会場までの輸送費、保険料など)

    • 備品輸送費

    • 輸送費 (スタッフの交通費、荷物運搬費)

  4. 人件費

    • スタッフ人件費 (展示会期間中の人件費、残業代など)

    • スタッフ交通費、滞在費 (交通費、宿泊費、日当など)

  5. 販促費

    • 販促品作成費 (ノベルティグッズ、チラシ、カタログ作成費用)

    • 広告宣伝費 (展示会広告、Web広告など)

  6. その他

    • 保険料 (展示会保険、賠償責任保険など)

    • 通信費 (インターネット回線費用、通信費など)

    • 予備費 (予期せぬ費用に備えるための準備費)

予算管理のコツ

  • 予算設定の詳細化: 各予算項目について、見積もりを取り、可能な限り正確な金額を算出します。

  • 費用の優先順位付け: 展示会目的に合わせて、予算配分の優先順位を明確にします。ブース装飾に力を入れるか、販促活動に注力するかなど、戦略に合わせて配分を考えます。

  • 定期的なチェックと調整: 予算進捗を定期的にチェックし、予算超過になりそうな項目は早期に発見します。必要に応じて計画を見直し、予算配分を調整します。

4.展示会出展準備:社内外との連携方法

展示会成功のためには、社内外の関係者との連携が起爆剤となります。組織力を最大限に引き出し、展示会準備をスムーズに進めるために、効果的な連携方法を構築しましょう。

社内連携

  1. 役割分担と責任明確化
    社内チームで、各メンバーの役割分担と責任を明確にします。営業部門はリード獲得、広報部門はPR活動、開発部門は製品説明など、各部門の専門性を活かした役割分担をします。

  2. 定期的な会議と情報共有の場設定
    展示会準備の過程の進捗状況や問題を共有するため、定期的な会議を設定します。対面での会議のほか、Web会議やチャットなど、効果的な方法を活用します。

  3. 情報共有ツール活用
    プロジェクト管理ツールやクラウドストレージ、チャットツールなど、情報共有をスムーズにするためのツールを活用します。文書やスケジュール、タスクの進捗状況などをチーム全体で共有し、透明性を高めます。

社外連携 (代理店、デザイン会社、施工業者など)

  1. 早期にコンタクトと目的伝達
    ブースデザインや施工、販促品作成などを外部業者に委託する場合、早期にコンタクトを取り、展示会の目的やイメージを正確に伝えます。早期連携は、より質の高い成果につながり、問題防止にもつながります。

  2. 密なコミュニケーションと進捗管理
    外部業者とのやり取りでは、密なコミュニケーションを心がけます。定期的な会議や進捗報告を求め、プロジェクトが計画に沿って進んでいるかを常に確認します。

  3. 相互理解と信頼関係の構築
    社外パートナーは、展示会成功を共に目指すチームメイトです。相互理解と信頼関係を構築し、前向きな関係で連携を進めることが、展示会成功をより効果的に、そして円滑に進めるための力となります。

まとめ

今回の記事では、「展示会出展準備の実務」と題して、展示会準備を成功に進めるための4つの重要なポイント―スケジュール計画、準備物リスト作成、予算管理、社内外連携―について解説しました。

展示会準備は多段階で複雑なプロセスですが、事前にしっかりと計画を立て、各ポイントを丁寧に進めることで、展示会成功の可能性を高めることができます。

本記事が、今後展示会出展を計画している実務担当者の皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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