見出し画像

企業の新しいマーケティング戦略に警鐘

2025年。

AIと企業のマーケティングについて、興味深い現象に気づきました。

AIが企業のマーケティング戦略に影響され、実態とかけ離れた「トレンド」を生み出そうとしているのです。
特に注目したいのは、AIが既存の概念を「新しいトレンド」として誤認識し、それを拡散しようとする現象です。これは、かつてSEO対策が検索エンジンの結果を操作しようとしたように、AIの認識を操作して情報を広めようとする新しいマーケティング手法の出現を示唆しています。


「スペパ」という造語をご存知ですか?

スペースパフォーマンスの略語で、限られた空間を効率的に活用することを指す言葉です。
アンビシャス社の調査によると、この言葉の認知度は全国でわずか27.0%。特に若い世代では、言葉を知っているのが約1割、意味まで理解している人はわずか2%しかいません。都市部での認知度は若干高く、東京23区内で40.0%、単身向けマンション居住者で52.6%となっています。

しかし、これは特定の環境下での限定的な数字に過ぎません。

昔からある概念の単なる言い換え

実は「スペパ」は、整理整頓や空間の有効活用という、私たちが昔から実践してきた当たり前の概念を、新しい言葉に置き換えただけのものです。
「コスパ」「タイパ」に続く新トレンドとして喧伝されていますが、本質的には何も新しいものではありません。

AIのハルシネーション現象

無批判な受け入れと拡散

しかし興味深いことに、AIはこの「スペパ」という言葉を、あたかも2025年の新しいトレンドであるかのように認識し、拡散しようとします。これは、AIによる「ハルシネーション(幻覚)」の典型的な例です。AIは与えられたデータをもとに判断するため、特定企業のマーケティング活動を一般的なトレンドと誤認識し、その誤認識が別のAIに伝播することで、さらなる誤った情報として拡散されていくのです。

マーケティング戦略としてのAI利用

かつてSEO対策が検索エンジンの結果を操作しようとしたように、今では企業がAIの認識を操作しようとする新しいマーケティング手法が生まれつつあるのかもしれません。
企業は自社の造語や概念をAIに学習させ、それを「トレンド」として認識させることで、より広い層への浸透を図ろうとしています。

2025年に向けた課題

情報の真偽を見極める重要性

このような状況下では、私たち人間がAIの出力する情報の真偽を見極める必要があります。特に「新しいトレンド」と謳われる概念については、それが本当に新しい価値を提供しているのか、それとも既存の概念の言い換えに過ぎないのかを慎重に検証する必要があります。

AIマーケティングへの対応

2025年に向けて、AIを利用したマーケティング手法はさらに高度化していくでしょう。私たちは、AIが生成する情報をより批判的に検証し、その背後にある意図や真の価値を見極める目を持つ必要があります。それは単なるトレンドの追従ではなく、本質的な価値の理解と判断力を磨くことから始まるのです。

いいなと思ったら応援しよう!