ベリーショート
今年の異常な暑さ。
何もしなくても汗が滴り落ちる。
仕事をしていると尚更暑く、シャワー浴びたのか?と聞かれるほど尋常ではない発汗量。首元にビショビショに濡れた髪がへばりつき、とても不快。
で!
衝動的に髪を短く切った。
ふは〜っ
スッキリ〜!
頭軽いしシャンプーも楽々!
発汗量は相変わらずだが、首元に髪がまとわりつくことがなくなった為、少し快適に感じている。
そんなある日のこと。
仕事を終え、魂が半分抜けているような疲労感の中、バスを待っていた。
工事現場で働いているような服装の見知らぬオッチャンがこちらに視線を向けながら話しかけてきた。
兄ちゃんよ〜
もっと男らしくシャキッとせんとな〜
ファ?
なんと言うた?
何語を話しとるん?
他の人に言ってるんか?
思わず後ろを見たが誰もいない。
ということは…
や、やっぱり自分に言ってるんか?
ナヨナヨしてっと世間から舐められっぞー
男のシンボルが泣くぞ〜ガハハハ
笑う口から見える歯は抜けてしまったのか隙間だらけだが、発する言葉が容赦ない。
面倒くさかったので、男っぽさをイメージしながら無愛想にウッスという感じで頭を下げ、オッチャンからスマホへ視線を落とした。
確かに……
髪はかなり短い。
以前から顔つきが男顔だとよく言われる。
女性らしい服装でもない。
肩幅ばかり発達した体型。
疲労により覇気がないことも自覚している。
しかし…
兄ちゃんか…
シンボルって…
持ってねぇから!( ᷄ᾥ ᷅ )チッ